ホワイトレディpart1

ホワイト・レディ part1
1月行く、2月逃げる、3月去る。
新年が来たというのに、瞬く間に過ぎ去る3ヶ月。
その中でも、1番あっという間に過ぎ去る2月。
イベントも盛り沢山なそんな月、BAR M&Nでは…
「いやぁー!この前の豆まきは、楽しかったなー!!レデース仲間うちでジャンケンで鬼役を決めて、負けたヤツが鬼役で、ソイツ目掛けてみんなして豆を投げたんだけど…鬼役は、プラスチックの金棒を持ってるから、豆を投げた奴に向かって金棒を殴りかかるんだよね!で、殴られたヤツが次の鬼って遊びをしててさー、いやぁー、マジで楽しかったなー!!」
「音ちゃんは、相変わらず野蛮にゃんねー!」
「もうすぐバレンタインにゃけど、猫にとっては、チョコは猛毒にゃから、食べられないにゃん。」
そうなのである、猫にとって、チョコ、玉ねぎ、ネギは、赤血球を破壊してしまう有害物質なのだ。
そんな話をしていると…
チリンチリン♪
「いらっしゃいませー、なんに致しましょう?」
「んー、はあぁぁー。」
「何にゃん?いきなり、ため息とは?」
ガーリーなワンピ-ス姿の女性、イチカに、ねねが問うと
「もうすぐバレンタインなんですが…」
「それは分かるにゃ。」
「んー、うぅーんー。」
うなるイチカ
「イチカちゃんよぉー、うなってるだけじゃ何も分からないぜ?」
音ちゃんが問うと、
「あぁー!!これは絶対言えないし、誰も分かってくれない!!」
「だから、何な(にゃ)のさ(にゃ)!!」
ハモる2人
「私ぃ…一度に2人の方を好きになってしまったのです。片方は、私の上司で会社員で、仕事をそつなくバリバリこなす知的なタイプで、私にも仕事で困った時助けてくれるんです。もう一方は、私の趣味の社交ダンスのパートナーで、何って言うか…幼馴染のような、フィーリングが合うんですよね。一緒にいて楽しいというか。」
「はぁー?」呆れた表情の音ちゃんに対して、
「やるにゃんねー!!」っと感服しているねね
「って、え?」
目が点になり驚く音ちゃんとイチカ。
「えっへん!!そういうことは、ねね様にお任せにゃん!」前足で胸をポンと叩くねね
「どーゆーことですか?」
「人間の世界では、俗に言う浮気、不倫でも、猫の世界は、レンアイは、女性優位にゃ!メス猫がレンアイの舵を切るにゃ!オス猫共はメス猫の思うがままにゃ!」
「す…すごい…!!」
興味津々な二人。
「猫は、メス猫は、年に2回位発情して、その時、オス猫がメス猫目指して来るんにゃけど、メス猫の縄張り以外の遠くのどこかからも、オス猫が来るにゃん。それくらい、メス猫のフェロモンと甲高い鳴き声の威力は凄まじいにゃ。」
「それでそれで?」
「メス猫を目当てにオス同士が争うにゃ。」
「最初は、フー!シャー!うぅー!わぉー!って威嚇しあってるんにゃけど、どちらかが攻撃を仕掛けて、激しい喧嘩が始まるにゃ!」
「おぉー!!」
「で、勝った方がメス猫と結ばれるんにゃけど…」
「けど?」
「残念なことに、勝ってもメス猫に選ばれにゃいことがあるんにゃ!」
「えぇー!?戦い損?」
がっくりする二人
「しょうがないにゃね、より強い遺伝子を残すためにゃ。」
鼻息をふんふんとして偉ぶるねね。
「因みに、発情期中は、メス猫は、複数のオス猫と関係を持つにゃ。」
「ということは?」
「パパ猫の違う仔猫が産まれることもあるにゃ。だから、ママ猫と柄が全く違う仔猫が産まれるのがそうにゃん。」
「うっわー!!世の中じゃ、浮気や不倫はゲスいって言われるけど、猫の世界は、もっとゲスいやん!!」と、音ちゃんが言うと、
「モテモテって言って欲しいにゃん。」
「アタシは、猫界のアイドル、ねね様と呼ばれてるにゃんよ?ここら辺の看板猫、野良猫には、有名にゃん。老若男女を仕切ってるのは、何もスーパー銭湯の看板猫トラさんだけじゃないにゃん」
「うわ、すっげぇーなー!!それじゃ、あたいもねね様ってお呼びした方が良いかな?」
「おねね様とお呼び」フンスと鼻息を吹くねね。
「って言うか、何の話してたっけ?(作者も猫の話で夢中になって忘れてた)」音ちゃんのツッコミ
「だーかーらー!一気に2人の人を好きになったって話でしょ!?」むくれ顔のイチカちゃん
「あーあー、それそれ!そこから猫の話に脱線(?)したのかー。んー、んー、悩むよな?」と、音ちゃん。
「イチカちゃん、悩まなくても良いにゃん、別々に告白したにゃ?」とねね。
「まだです!」きっぱり言うイチカちゃん
「まだかいな!!」と、音ちゃんのツッコミ
「実は…バレンタインデーに2人別々に告白したいと思って…」もじもじとイチカちゃん
「その方がいいにゃね、昔あったとある番組よろしく、同時に告白しようとしたら、こいつ誰!?こいつの方が好きなんじゃね?って思われるのがオチにゃんよ。」
「でも、二兎追うものは一兎も得ずってことわざがある通り、上手くいかないかもしれないかもよ?」と念を押す音ちゃん。
「でも、告白が上手くいかないからって、相手を憎んだりしたらダメにゃんよ?これからの人にゃんだから、もっと楽しくやらにゃきゃ。女磨きにゃんて言葉が流行ったけど、そんにゃ立派なことをしにゃくてもいいの、自分が好きにゃことで自分が楽しくにゃればそれで良いにゃんよ。」
「そんなあなたに…」今か今かとみつが準備しだしたのは…。
材料…ドライジン…30㎖
コアントロー…15㎖
レモンジュース…15㎖
ドライ・ジンベースにコアントローとレモンジュースをシェイカーに入れて、シェイクして…
ホワイトレディ29度中口の出来上がり
「どうぞ」
酸味が効いたシャープな味わい。
「ごくっ…少し苦い…。」とイチカちゃん。
「大人の味にゃね。」
ホワイトレディの似合う本当のレディにおなり…。

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