そしてキーウィをかう 中

昨日の続き。

フンボルトペンギンのコーナーにかなり心奪われたので、その後ずっとあのコーナーが良かったと呟き続ける生き物(私)が出来上がった。
まだ慣らし中で活用されていなかったけれど、フンボルトペンギンの特性である「穴掘り」を活かした展示ゾーンもあったので、いつかまた絶対に天王寺動物園に来るんだ、と心に誓った。

インパクトある看板


近くにあった美術館も気になるし、茶臼山もたぶんなにか見学できそうだった。
(あんまりしっかり調べてしまうと行きたい欲が抑えられなくなりそうだったので、あまり時間のないこの日は敢えて詳しく調べないという結論を私は出していた)

それに私はチュウゴクオオカミのドゥドゥにもまた会いたい。

おそらく換毛期のドゥドゥ(オス)

順番的にはペンギンの前に見学していたと思う。
ちょうどお手洗いの近くに展示ゾーンがあって、なかなか人目に留まりやすいところにいたドゥドゥ。展示場のなかをくるくると回ったり、ちょうどど真ん中のところでスッと座って眠りについたドゥドゥの一連の所作。顔つきが優しげで、換毛期のもふもふも相まってなんだかすごくキュンとしてしまった。
性格にも「おとなしくてかなりビビりな一面も」とあった。実際、眠りについてもすぐ起きたりとほんのりそわそわしていたのは近くでサイレンを鳴らす救急車が通っていたからだと思う。天王寺動物園近くには阪神高速や国道25号が通っているようで、この日の滞在時間4時間弱でも2,3回サイレンの音を聴いた。

メグとメラ メス郡のNo.1,No.2の実力者

どちらがどちらかは自信がないけれど、ドゥドゥと違い堂々と眠りについていたメス2頭にも心を奪われた。というか、こんなに見学しやすい場所でがっつり寝てくれることに感動した。東山動物園のシンリンオオカミゾーンではなかなかここまで近くでじっくり観察できることはない。(その代わりもっと広めの庭で走りまわる姿は観察できる)

東山動物園(たぶんノゾミ(メス))

こうして画像でみるとシンリンオオカミとチュウゴクオオカミでかなり雰囲気が違うなぁ、とも思う。チュウゴクオオカミのほうが毛並みの色が黄土色系に統一気味で、シンリンオオカミのほうが毛並みに黒や白銀のようなカラーが強く混ざりがちな気がする。
うっすらと調べてみると、そもそもが「ハイイロオオカミ」という種から分布地別に分かれていく亜種の扱いでオオカミの種別は存在するらしい。
(ハイイロオオカミでなくタイリクオオカミと呼ぶ場合もあり、タイリクオオカミが指すところはユーラシア大陸に分布される種という響きがあるのだとか)(響き…?)(つまりチュウゴクオオカミはタイリクオオカミだけれど、シンリンオオカミはまぁちょっと違うということだろうか)

チュウゴクオオカミ…チベットやモンゴル、中国北部
シンリンオオカミ…北アメリカ・五大湖地域の北東部(独立種とされる場合あり)

天王寺動物園の看板

あとは個人的な印象だけど、シンリンオオカミのほうがザ・オオカミ感あって、チュウゴクオオカミのほうが犬感が強い。たぶんシンリンオオカミのほうが瞳孔が黒々と目立っていて三白眼、四白眼なイメージが強いからだと思う。

余談になるけれど(ずっと余談だけど)、草食動物の黒目が大きいのは敵に視線を悟られにくくするためだとどこかで聞いた。逃げる際に進行方向を読まれると困るからだ。そして人間はその視線すらコミュニケーションに活用しているから黒目白目がはっきりしているとも聞いた。つまるところオオカミたちの瞳孔も狩りをする際などのコミュニケーションに活用されている面もあるのではと思ったのだけど、書きながら調べたら単に構造上の問題が大きいようではあった。(広く見渡すため目が横についている草食動物と、立体的にものを見るため正面に目がついているその他動物での区分けで、草食動物は大体の場合瞳孔が大きいor長い)
まぁでも構造上の問題ばかりでもないと思うので、そういった見方を考えてみるのもとても面白かった。

フクロテナガザル

東山動物園にはもうケイジくんしかいないので、ゲージのなかをぐるんぐるんと所狭しと動き回る姿が久しぶりに見れて嬉しかったと同時に少し切なくなった。天王寺動物園でも活発に動くメス3頭のゲージを横からじっと見つめるオスがいて切なかったけれど、フクロテナガザルはなんだか所作で気持ちがよくわかる気がする。

おっさんの声で有名になった前述のケイジくんも、マツちゃんと一緒だった時には本当に活発で、割合広い檻のなかを縦横無尽に動き周りながら雄叫びをあげていて眺めているのがかなり面白かった。檻の向こうから人間にもかなり関心を寄せていて、べっと舌を出したりとてもユーモラスな面もよく見せてくれた。それがマツちゃんが亡くなってからかなりおとなしくなってしまって、隅の方でだらりと座って草木を片手にもぞもぞしている姿のほうが多くみるようになったと思う。
調べてみるとフクロテナガザルが鳴くのは自然界で日に2回、飼育下で3-5回らしいのでそもそもがレア確率ではあるようなのだけれど、ケイジとマツで揃っていた時はそれは本当によく鳴いたのだ。行けば必ず鳴いているところが見れたくらいに。

ケイジとマツ(東山動物園)

フクロテナガザルが鳴くのは「縄張りの主張」と「ペアとの絆の確認」のためなんだとか。
ケイジくんはマツちゃんのことが大好きだったんだと思う。
それくらいフクロテナガザルの行動は見るものに何かを訴えかけてくる。大きな叫び声を抜きにしても。


また長くなってしまったので続きは明日にする。

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