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【呪術廻戦】高専組が回収している死体の用途について【本誌考察・260話】



はじめに

 
 本記事では、現在進行中の宿儺戦において生じたキャラクター達の死体に関する考察を行う。ネタバレまみれなので留意を。


1.死体回収の意図


 これまでの宿儺戦では緒戦の五条悟を始めとした数人の死傷者が出ているが、それに対して高専側はワープ可能な憂憂と逃走補助が可能な綺羅羅による対象の回収を行っている。

 そもそもの話として、この二人は前線に出ている術師が負傷した際に退却させ、後衛の家入の元へ送る役割を持っていると宿儺は推測しており、乙骨や日下部に対する憂憂の行動を見れば恐らくそれは当たっているだろう。

 しかし、宿儺の斬撃をくらった直後にリカが抱え最速で離脱をした乙骨と、描写的に乙骨には及ばない負傷具合の日下部は治療が有効であると仮定したとしても、回収されたメンバーの中にはそうでない者もいる。

 それが五条日車である。

 五条は胴体が両断されているのが明確に描写され、日車は虎杖に託した処刑人の剣が効力を失ったことで描写されている。処刑人の剣に関しては日車が意識を喪失したことで術式が途切れ効力を失ったという見方も出来るが、何よりも大きいのが宿儺がこの両者を死体、もしくは死者として認識していることである。

 とはいえ、高専側がこの二人を回収すること自体は不自然ではない。負傷度合いがどうであれ、とりあえず回収して治療を試みるのは当たり前であるし、たとえそれが死体であっても回収を目指すのが人情ではあるだろう。

 しかし合理的な視点で見れば、治療後に継戦が可能な負傷者はともかくとして、明らかな死体の回収にはリスクしかない。実際に本編では日下部を回収しようとした憂憂が宿儺に捕捉されており、五条や日車の際に同じことが起こる可能性はあっただろう。

 ここから導き出されるのは高専側にはそのリスクを許容してでも、対象が明らかな死体であっても即回収するメリットがあるのかもしれない、ということである。


2.高専側の狙い


 まず初めに、筆者が現状出ている要素から考察した仮設を並べる。

1.相手側の利用を防ぐ為説
2.降霊説
3.魂関係説
4.西宮の付喪操術説

 順に説明していこう。1は名前の通り宿儺や羂索に利用される可能性を考慮しての回収、という解釈である。

 この両者は両者とも他者の肉体や死体を散々利用してきた為、万が一を考えて死体を手元に置いておくというのは無難な行動ではあると言える。そもそも死体というのは恐らく呪術的な価値が高いというのもあり、諸々の悪用を防ぐ為に行っているのは有り得る話である。

 次に2であるが、これは渋谷事変での伏黒父の例、そして味方側に降霊術を扱う猪野が居ることで思いついた仮説である。

 伏黒父の場合は降霊先である孫が触媒となる遺骨を飲み込み、オガミ婆が肉体の情報を降霊することで実現した。

 ならば、降霊先に死体を使うとすればどうだろうか?死体そのものを降霊先兼触媒とし、本人の魂の情報を降霊させれば疑似的な復活が可能なのではないか。

 死後間もない肉体の、停止した生命活動を反転術式と医療の合わせ技によって再開させ、そこに降霊した魂を呼び込む……といった具合ではあるが、2は色々と無理があると言える。

 そもそも降霊が出来る猪野は前線に出ているし、謎だったもお披露目してしまっている為、彼がオガミ婆のような芸当が出来るかと言えば恐らく不可能であり、出来たとすれば前線には出ていない。

 降霊術を扱える既出ではないキャラクター(もしくは生存、捕縛されていたオガミ婆)が裏方に居るとも考えづらい。猪野が出陣し竜を使ってしまった以上、この仮説はありえないと言ってもいいかもしれない。

 次に3である。これは具体的に何をするかというより、材料に使うモノの考察である。それが突然変異呪骸の作り方九十九の残した魂の研究ノートパンダ、そして釘崎である。


呪術廻戦/芥見下々 集英社

 三つの魂の情報を肉体から複製し、それを入力することで自立した呪骸が出来ること。魂に関しての研究ノート。兄と姉を失い二つの魂を失ったパンダ。無為転変を受け魂に傷を負い未だ生死不明である釘崎。

 これらを利用した何かを行う、というのが3であるが、具体的な案までは思いつかなかった。

 そして最後になるのが4の西宮の付喪操術説である。

 

呪術廻戦/芥見下々 集英社

 詳細は明かされていないが、愛用品であろう箒を自在に操っていることと、元ネタである付喪神の性質から、長年人によって扱われた道具や物を操る、といった具合の術式であると推察出来る。

 では、肉体を物と捉えてはどうだろうか?

 生命活動を停止し魂の抜け去った死体を「」と捉える。当然その死体は生前、持ち主によって長年扱われた「」であり、付喪操術の術式対象になり得るのではないか。

 「」が己の肉体を「」として利用している。肉体に対しそういう解釈が可能であれば死体を付喪操術によって動かせる、という具合である。

 この仮説は宿儺戦に西宮は参加しているが、現状では前線には出てこず裏方での活躍や描写もされていないという点から出たモノである。


おわりに

 
  本記事で提示した四つの仮説の内、最も有り得そうだと筆者が考えているのは1と4である。そもそも死体を利用するのは倫理的にどうかという話もあるが、事前に参加者に確認を取り了承した者のみ利用すれば良いし、そもそも彼らは呪術師である。相手を呪う為なら死体であろうと利用するし、死んでも勝つという気概で了承する者も中には居るだろう。

 追記:本記事執筆中にまさかの展開となってしまった。今後どうなるかは分からないが、内容的に言及してなくもないので260話の考察として本記事は据えさせて貰う。

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