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【超短編小説】空を飛ぶ猫

ある日、公園を通りかかると、猫が空へ飛び立つ所を見た。
信じられない思いでその姿を見ていると、猫は空中でくるくると公園を飛び回る。
そして、僕を見ると
「ニャー」
と鳴いた。
僕はその姿に魅入られ、近づいていく。
猫は公園を離れ道なりに飛んでいく。
僕はその姿を追いすがった。
そして、気づけば僕の知らない町まで来てしまっていた。
僕は不安になって泣き出してしまう。
帰れなくなったらどうしよう。
しばらく泣いていると、あの猫が足元で僕に体を擦り付けていた。
なんとなく安心感を覚える僕。
僕は大丈夫。
その時猫がまた飛び立った。
導かれるように、猫とともに飛び立つ。
「わあ!」
飛んでる。僕は飛んでる。
猫とともに風を切って飛ぶ。
「あ、僕の家だ!」
猫は僕の家の上をくるくると飛ぶ。僕は家の庭に降り立つ。
猫を見上げていると、
「ニャー」
と鳴いて空高く飛び去っていった。
これは僕の身に起きた、夢のような不思議な話。

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