方言とわたし

わたしには方言があって、方言って自覚もないほど方言の中に生きていた。
大学で方言の存在と、わたしの中に生きる方言を知り出会った。
当時はなんか誇らしくて、けど、地元に戻ると方言が薄れている自分が少し好きで。
けど、方言は共通言語じゃないから、生きづらくて。
戻ってきてみたけどもう、方言はわたしの中から少し薄れて、どこのものでもないホウゲンがわたしの中に共存している。
わたしは純粋な方言を失い、新しい方言も手に入れられないホウゲンの持ち主になった。
時々わたしは誰なのかわからなくて悲しくなるけど、あの頃を生きたわたしが残したホウゲンがわたしの中にあることで少し強くて嬉しいわたしになれることもある。

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