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砂嵐

割引あり

 砂嵐がやむのなら天国。
砂嵐が明日も続けば地獄。死ぬかもしれない。
 
 実はこういうことだ。
その時私は、中国日本共同タクラマカン砂漠徒歩縦断探検隊の日本隊員としてテレビ番組制作のカメラマンとして探検に参加していた。古くはマルコポーロ東方見聞録の時代からヘディン探検隊迄ラクダに乗って縦断した探検家はいたのだが徒歩縦断は人類初のこころみだった。

中国からは学者さん農業省のかたなど12名ラクダ使い4名日本人テレビ取材チーム4名総勢20名の探検隊で荷物をラクダ28頭に積み徒歩砂漠縦断の探検は開始した。370キロを21日かけて踏破する予定だ。ただでさえ昼間30度夜マイナス20度と異常な気温差で無水地帯を進む未知の探検行なので、十分気候など調査した日程で砂嵐が一番少ない時期が選ばれたのだが、その日は夕方から砂嵐が吹き始め視界も1メートル程度で暗くなり進むのを中止して緊急の野営に入ったのだ。

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