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魚が宇宙へ、猫が宇宙から海へ飛び込んだ近い未来の話なんだって、さ。

          

                       3065年1月1日

    DBCニュース緊急速報!!

世界各地で無数のネコが大空から大量に隕石の様に落下してくる異常事態が発生しています。

ネコ達はそれぞれの落下した国の言葉、英語
、フランス語、パプアニューギニア語、日本語、関西弁、東北弁、中国語、ソグド語、ヘブライ語、などで、当地の人たちに抱きかかえられながら、それぞれ律儀にありがとうの言葉を話したと言うことです。

世界国連総会でも、この異常事態を重く見て
、この現象をネコ・インパクトと呼称し、各国の科学者、専門家達も常識外の謎の奇怪現象と呼び、世界各国のテレビ、新聞で様々な議論憶測が飛び交いマスコミは大騒ぎしました。


それと同時期に世界各地の海、海洋、太平洋
、地中海、大西洋、北極海、南氷洋から、大量の鮭が宇宙を目指して宇宙船の様に飛び立ち、大気圏を突入し大宇宙へと飛び立っていく、謎の不思議現象が世界同時多発的に起こりました。


鮭達はトビウオの様に羽根を生やし、バタバタと高速度で羽ばたき、ついには成層圏を突破し、果てのない宇宙への旅立ちをはじめました。

世界各国の科学者、知識人達、政治家、各国政治首脳達は、ことの事態を重く見て、全世界に向けて、取り乱さず、落ち着いて事態の推移を見守ってほしい、と、あらゆる方面へのメッセージを全世界に向けて発しました。


やがて、落下して来た宇宙ネコ達は、ネコ遊牧・ユナイテッドという、集団を作り上げ地球全体に、人たちに迷惑をかけないように過ごしはじめました。

宇宙へと飛び立った宇宙鮭たちの生き残り達
は、やがて国連の力を借りて宇宙ネコ達と、互いの会議、討論、話し合いをはじめました。それは世界ニャンコ・魚類討論と呼ばれ、熱気を帯びたそれは何ヶ月にもおよび、衛星放送を介して、その模様は全世界へと実況生中継され全世界の人達が、われもわれもとその様子を熱狂しながら見入ったのです。

鮭代表
「われわれ鮭、および魚類は猫たちに食べられることに心底うんざりした。その末の宇宙への逃避行だったのだ。われわれは、もう、限界だ!!」

宇宙ネコ代表
「われわれネコも他の星で魚など食べあきたこの星へゴロニャンと遊びに来ただけなのニャ!!」

かくして会議は終始噛み合わず、お開きになりました。


やがてどこかの国の夜の港の波止場で、トレンチコート、ソフト帽姿の葉巻をふかしたネコと、おなじ格好の鮭が貨物船の横で雰囲気を醸し出しながら、にらみ合い、こうつぶやきました。

宇宙ネコ
「あんた達との、くされ縁はこれまでだ。」

宇宙鮭
「おいら達もこれでせいせいして他の惑星へ移住出来るよ………………。」

そして、鮭、魚類とネコは、永遠の絶交をし
その関係に終止符を打ったのでした。


ネコ達と魚類のきりのない確執に終止符がうたれるとき…………

 やがて、その日は、確実に来るでしょう。


   DBCニュース報道部の討論の結論。

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