自転車と風と疲れ

 慣れない事をして、それが嫌だった訳でもないのに疲れを次の日まで引きずるように、私はそうなったらしいです。
 昨日の幼稚園の仕事は人手不足から厨房行きになり、初めて厨房で半日働いて、しかも約5キロの道のりをいつもの車ではなく自転車で往復…
 疲れて今日は1日、体が動きませんでした。

 「余力を残す」というのは若い時には「サボる」事だと思っていましたが、その余力で優しさや気配りや立ち回りが出来るという事を体感しつつ、同時に体得に変わってきています。

 若い頃の私はそれでも、全力で得たいものがあったけれど。どうしたって知りたい事の為に、もしくは自分と周りの狭間で折り合いをつける為に走るしかなかった。

 自転車を乗りながら、相変わらず周りの景色なんて見えていないのに、そんな事を思ってました。

 漕いでも漕いでも、前に進めなかった、そんな時もあったのに。もがく事しか知らなくて出来ずにいた事もあったのに。
 未熟な私の人生をけなさない言葉を選んで、その記憶を笑えるようになったようです。

 「走るしかなかった」。


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