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理想の家 ☆125

夏のテストが近づいているが(8月3日4日と10日11日の土日)、受けられる教科を1つ増やしたいために、ちょっとnoteを休んでしまった。昨日が受験申込みの締切日だったが、何とか間に合った。

増やしたのは「居住福祉論」。

当初は秋の試験で受ける予定だったが、スケジュールを見たら3日の試験が軽めの教科1つだけで、他の日は全部2教科受けるのだから、バランスが悪いので急遽これを加えた。

日本の住宅問題に関するあれこれについて学んだが、確かに住環境を整える事は生活する上で大切なことだろう。

若い頃、私は落語や映画が好きだったので、いっそ池袋に住みたいと思って物件を探した事があったが、私の予算ではあまり良い所が見つけられなかった。

当時はネット検索して家を探すなんて方法はなく、実際に1軒1軒見て回ったが、

例えば広さはまあまあでも、日当たりが悪かったり古びていたり、もしもそこに住み続けたら、身体を壊しそうに思えるような部屋や、息の詰まりそうなワンルームマンションみたいなものばかりだった。そういうのは身体が拒否してどうしてもムリだった。

けっきょく池袋はダメそうなので、少し離れた街で探したら、同じ予算で凄く良い部屋を見つける事が出来た。角部屋で明るく、風通しが良かった。8畳と4畳半のキッチン。8畳は畳敷きだが新しく、家具はほとんど置かなかったから、部屋がとても広く感じた。

私はそこで暮らして病気もしなかったし、友達もたくさん訪れた。よく鍋やホットプレートを囲んで6、7人で朝まで飲んだ。友は友を呼び、色んな話をしたり、それが発展してイベントを企画して開催したりもした。

それは上手く言えないが、私が中心になっていたと言うより(私に人を惹き寄せる力はない)、部屋が来やすい雰囲気だったせいではないかと思うのだ。

以前記事に書いたが、昭和天皇が防御された年にたまたまテレビが壊れたので、当時の私の部屋にはテレビがなく、ラジカセがあるだけだった。
それもかえって魅力だったのかも知れない。

役者、ロックシンガー、大学生、教師、お笑い芸人、AV女優、SMの女王、カメラマン、イラストレーター、人形作家、作家などが私の部屋に出入りしたのである。

「部屋が人を呼ぶ」という事はあるのかも知れない。

「居住福祉論」で面白かったのは、我が国の空き家率が全国で13.6%くらいで900万戸くらいもあるのだが、

その空き家を改築してグループホームにした実例を見せてもらった。もともと広いお宅だったが、余裕のある敷地に個室を増設して、9人以下の少人数で利用者達が暮らしているのである。

車椅子も移動出来るようにし、縁側で寛いだり、障子を外して広間にしてデイルームのようにして使っている。

写真で拝見する限り、それはグループホームというより、普通の、どなたかの家でお年寄り達が集まって、まったりしているようにしか見えない、かんぜんにとけ込んでいる。

思い出せば、私の婆ちゃんは下駄屋(下駄屋だが実際は靴が主力の店)を営んでいたが、その家にはひっきりなしに来客があり、

と言ってもそれは靴を買いに来るのではなく、近所の茶飲み友達だった。もちろん親戚も来た、寺の和尚様も来た。通りに面した角の店で来やすい雰囲気だったのかも知れない。

私自身が婆ちゃん子でよく彼女の家に遊びに行っていたからその楽しい様子は良く知っているのである。

グループホームの理想形とは、もしかしたら、このようなものかも知れないと、講義を聴きながら思ったのである。

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