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藤井風 まつり 素直で穏やかな「世界への挑戦」

藤井風のセカンドアルバム「LOVE ALL SERVE ALL」がリリースされてはや半年ほどたちました。個人的には2022年最も聴いたアルバムになりそうな予感もしているのですが改めてアルバム内の曲について語りたいと思います。
今回語るのはアルバムのリードシングルとして先行配信された「まつり」です。
ジャズやクラシック、歌謡曲、R&Bなど様々なジャンルを「藤井風」としか言えないジャンルに昇華するポップセンス。それを日本の和のテイストに向けてうまく着地しているそんな曲です。彼のLOVE&PEACE的でかつ自由や個性を認める世界観は「まつり」が収録されている「LOVE ALL SERVE ALL」でも全体的に表現されています。そんな中でも「まつり」ではLOVE&PEACEな生き方を気づかせてくれる内容となっています。これも前作「HELP EVER HURT NEVER」と同じインドの聖人サティヤ・サイ・ババからの影響を色濃く感じる内容で、サイババの「すべての人を一なるものへと引き寄せる、愛を獲得しなさい。」という教えが表れています。ピアノと笛に加え特徴的な「ハッ」という声がまつり要素満載のアイコニックなイントロが印象的です。終盤の歪んだギターサウンドは一級品で高ぶる歌詞と呼応するサウンドは「ビートルズ ヤー・ブルース」を彷彿とさせます。(ビートルズの場合は歌詞と真逆なのですが…)
さらにこの曲で最も使われている「ない」という単語が単に「無い」だけではなくリズムを刻んだり否定の否定になっていたりと、脱帽の言葉選びは日本語の音楽的可能性をより感じさせる内容でした。加えてミュージックビデオからも感じられるグローバルな視点は彼の「日本人としてグローバルな活躍」という意識を感じずにはいられません。
この激動の1年をすべて包み込むやさしさと前衛的な姿勢、そんな相反する二つが共存している曲としてこの1年、いや10年で最も重要な曲にもなり得ると思います。
今回も最後まで見ていただきありがとうございました。次回もチェックしていただけるとうれしいです。

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