ゆりかごに揺られて
カートヴォネガットの作品にハマって3冊目に選びました。「猫のゆりかご」
ディストピア小説が好きな私にはあまりに魅力的なあらすじですぐに手に取りました。
ぶっちゃけましょう。想像とは違いました...笑
予想を裏切られた!というような爽快感でらなく、むしろ「んんん?ほええ、なるほど」のような奇想天外な感情にさせてくれました。(語彙力)
日本に落とされた原子爆弾、これについての本を語り手が執筆しようとするところから物語は始まります。
原爆をめぐる取材を続ける中で主人公はあらゆる液体を固体化するアイス・ナインという物質の存在を知ります。
それからも物語は急変せず謎の宗教との出会いなどを経ていきます。
ヴォネガットの辛辣なユーモアに溢れた作風が特に色濃く出ている気がしました。
一見奇天烈な海外映画を見ているような感覚が片隅で存在感を放っている。そんな中でも一本筋の通ったヴォネガットらしい辛辣さ。絶望、恐怖、あらゆる負のエネルギーと面白おかしい笑顔。そんな相反する2つがなぜか手を取り合って読者を誘う。
sf小説を読むならば避けては通れない「猫のゆりかご」。納得の一冊でした。
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