見出し画像

Mリーグ2022版 辛口本音批評

 今更続編を書いてどれだけ反響があるかも分からないので書こうかずっと迷っていたのですが、ありがたいことにご要望の声を何度も頂きましたので、満を持して書くことにしました。

 私のデビュー作であり、かつこれまでで最も閲覧数が多いこちらの記事の続編です。

 前回の記事では特定のチームだけを無料公開としていましたが、今回は各チーム1名ずつ選出して公開しています。有料部分では選手全員分の個別批評に加えて、チームに関する批評も記載しています。(言うまでもなく辛口めや爆弾ぽい内容は有料部分に持っていっています。)
 選手によっては前回と同じような観点で書いていますし、特に追加して書くことがなかった選手について無理に文章数を増やすようには書いていませんのでご承知ください。

 これまでの私の記事を読んでくださっている方は私の考え方が分かるので読みやすいかと思うのですが、そうでない方へ。
 ・私は麻雀強者や高段位保持者というわけでは全くありません。そのため、この記事は麻雀の内容に特化した批評ではありません。誤解されて読み始めると拍子抜けするかと思います。
 ・私はMリーグの箱推しです。新しいタイプの麻雀番組として発足させ、これだけ普及していっていることに心底感服しています。Mリーグは麻雀の普及とスポーツ競技化、そして業界の発展を目指していると理念にしっかりと書かれています。だからMリーガーはただ強ければいいわけではなくて、「Mリーグにどのように貢献できているか?」といった視点も大事にしています。記事でもこの考え方が多めになっていますし、そうはいっても放送の中で選手が発言できる機会ってインタビューしかないので、そこでどういう振る舞いができるかは重要だと思っています。
 ・判断基準は個々でブレないようにしていますが、基本的にはめちゃくちゃ主観で書いています。
 これらの点をご理解ください。



 年内の試合が終了しましたので、非公式さんから拝借したチーム順位を載せておきます。私の辛口批評はこの順位を基に書いていませんですけど、参考まで。




【選手雑感(抜粋)】

 *各チームから1名ずつ選出し、無料公開します。



赤坂ドリブンズ:園田賢


 麻雀の強さは私がわざわざ説明することはないと思います。私が着目したいのは、園田さんの天性の明るさや人を笑わせる力を持っているところです。悲運なラスやマクラーレンが続いても、インタビューをあれだけ明るく軽快にできるのは人間力が高いし、Mリーグという番組に非常に向いているキャラクダーだと思います。
 悲運な展開のあとのインタビュー、暗い表情でただただ当たり前のことを言うだけのインタビューなら私はわざわざ放送する意味がほとんどないんじゃないかと思っています。園田さんはその場面で、「内容の詰まったロングインタビュー」という持ち芸で一笑いを起こすことができます。園田さんのインタビューのすごいところは、視聴者を楽しませるために麻雀と関係ない話やオカルトの話を敢えてしているわけではなくて、園田さん本人がしたいであろうと思われる「麻雀の内容に関する話」を直球でしていて、かつ笑いも取れるスタイルを生み出したところだと私は思っています。しかもそのあとの自身のYOUTUBEでネタにして自給自足していくことで、特に今期は不幸が多く起きたことでむしろ人気が増えたように思いました。Mリーグ以外の立ち周りでもやはりトークが上手く、麻雀も強いので需要が尽きないと思います。おじさんの味方です。
 そもそも園田さんはMリーグ発足前は全く無名であり、「Mリーグがきっかけとなって発掘されて人気者になった選手の第一弾」というイメージが私の中ではとても強いです。番組が生み出したスターとして、そのユニークなキャラを生かして、そしてドリブンズの顔として、まだまだMリーガーとして活躍してほしいなと思っています。そして来年こそ最高位を獲ってほしい。




KADOKAWAサクラナイツ:堀慎吾

 バリ強いのは周知なので、良い意味で語ることがほとんどありません。私が重要視している視点に関して1点触れるとしたら、トップインタビューの「至極の一局」や、「嬉しいです」「悲しいです」「悔しいです」の「一言返答」など、インタビューをシリーズ化して笑いに変換しているのがとても上手いと思いました。
 園田さんの「ロングインタビュー」にも似ているのですけど、二人とももともとは「試合後のインタビューなんて要らない」って考え方の人間だと思うんです。番組の意図を組んでやっているに過ぎないと思うのですが、その中でも自分がやりやすいフォームを見つけられているのが状況判断というか世渡りが上手いなと感心しました。堀さんの場合はがっつり麻雀の内容でインタビューを丸々話すこともできますし、白鳥さんがいる時みたいな茶化しを入れるパターンもあって、レンジが広くなってきています。
 そもそも堀さんはインタビューに限らず発言が面白いし、人との距離の取り方だったり、自分のポジションのやるべきことを見つけるのが上手い印象があります。この考え方が合っているか分かりませんが、麻雀以外の面での立ち振る舞いを観ていても「麻雀強そうだな」って思えるタイプの選手だと思います。





渋谷ABEMAS:白鳥翔

 RTDで初めて見た時は「受け付けないタイプ」という印象だったが、見慣れれば見慣れるほど味が出てくるタイプ。最近はついにかっこよく見えるようになってきました。団体が叩かれている場面では凛として自分の意見を言える強さと責任感があります。プロとは何ぞたるかということへの自分なりの考えがしっかりあって、自己アピールしていくことも大切にしているけどファンや視聴者の大切さを理解しているように見受けられます。
 総じて、長く見れば見るほど第一印象と違って良い人でしっかりしている人なのだと思います。SEKAINOOWARI崩れだと思って敬遠している人は是非見方を変えてみてほしいです。
 麻雀は現代風の打ち筋でバランスが良く、近年は本当に強いなと思って観ています。もともとの白鳥さんの強さに加えて、多井さんとの深い検討がプラスに働いている面が大きいように思います。

 でさ、冥府って何?







KONAMI麻雀格闘倶楽部:高宮まり

 2020年、2021年はさすがに擁護できないような打牌選択が多くて、しかも一貫性がなくて常に芯がブレているような印象があって、このまま誰かと交替してしまう可能性も十分あるのではないか…と思わせるような状態でした。
 しかし今期は吹っ切れたかのように、ブレずに打てています。明らかに攻めすぎだったり、期待値通りではない場面も多いのですが、一貫性があるからいいと思います。

 高宮さんは自分の精神状態が打牌に反映される傾向が強いように思います。それはプロとしていいことなのか?一貫した打ち方ができるべきではないかという考え方はもちろんそうですが、私は去年までと比べてこんなにも打ち筋が変わることってあるんだな、ということ自体がむしろ趣深いなという視点で見ています。
 高宮さんの場合、正直麻雀の強さとしてはプロだという感じは弱いです。しかし、応援したくなる人だからプロだなと思います。

 まじこれなんすよ。高宮さんのインタビューはマジレスツイートをしたくなる気にさせてくれる何かをもっているのよね。

 そして、
 最終日のトップインタビュー観ましたか?

 こういったことを本音で言えるところが推せます。






セガサミーフェニックス:魚谷侑未


 間違いなく麻雀が強いです。魚谷さんの麻雀は一打一打に努力の蓄積を感じるので好きです。むしろ強いが故に、「正しく仕掛けて正しく前に出た結果、成績が伴っていない」ような、ドリブンズみたいな状態になっているように思っています。
 麻雀の技術にばかりこだわってきた選手というわけではなく、応援してくれるファンを大事してる姿があらゆる場面から見受けられます。自分の打牌意図を伝えるためにスペースを開いたりもしますし、ここぞというところで勝てなかった時のラスインタビューでも明るく清々しく振る舞えますし、エレベーターが閉まった後もお客さんにずっとお辞儀している人です。ことさらプロ意識が高いと思います。
 これも別の記事で書いたと思うのですが、ファイナルの最終決戦、私が監督だったら魚谷さんを連投します

明日発売です!!





TEAM雷電:萩原聖人

 書くことが多すぎてnote2本くらい書けそう。集約すると、(これも同じことを何回も書いていることになってしまうのですが、)ハギーから「変わった」とか「練習したんだな」感が相変わらず全く感じられません。
 今年の麻雀最強戦で、中田花奈さんがめちゃくちゃいい麻雀を打っていました。以前観た時と全然変わっていて、「この子すごい考えているな」と思える姿がありました。麻雀てスポーツよりもよっぽど成長や変化が分かりにくいと思うのですが、その中でも相当練習したということが明らかに出ていることに感動しました。ハギーにはそういうのが全くありません。
 三色や打点が狙いたいとか、現代風の麻雀と違ってもいいと思います。そういう打ち方を一貫してしているならいいけど、ヒヨって三色すぐにあきらめたり、意味のないところで押したり、リーチかけないでうっかりツモしちゃて満貫を500-1000に変えて次局で8000放銃したり。毎回ブレブレだし、点棒は投げるわ強打はするわ、声小さいわ腕組むわため息つくわ。どうしたらええねん。
 
 私は他のMリーガーが今よりももっともっとタレント化してきたら、いよいよハギーの役割がなくなってお役御免になってしまうんじゃないかなと思っています。確かにハギーがきっかけになってMリーグを観始めたって人は一定数いると思いますけど、ハギーはそうやって見始めた人たちをガッカリさせていて、その奥の番組や麻雀の魅力まで先導しているのは別のMリーガーだと思うからです。

 ハギーは去年の閉幕式でも「来年は絶対優勝します」と言い切っていましたし、インタビュー聴いていても行動が伴わないようなことばかり平気で言うので、有言不実行ぶりが極まっていて非常に薄っぺらく見えます。もうハギーなのかヤジーなのか分かりません。

 最後に、「ハギーは役者の仕事やってるから練習する時間が取りたくても取れないんだよ!」という反論を潰しておきたいと思います

龍龍だろうが雀魂だろうが練習する時間はあるようですよ。
厳しいこと言っていいですか。
上達しないのは本人の気持ちがないだけだと思います。






U-NEXT Pirates:瑞原明奈

 モデルやグラビアをやっていない麻雀プロの中で間違いなく頂点の美しさを持っている選手。MVPを獲ったことはやっぱり意味があって、元からお美しかったのに「強い」も乗っかったことでさらにそう見えるし、MVPをきっかけにして雑誌やテレビ出演につながり、再認識できる場面がより増えました。 
 今期もすこぶる成績良いのですが、手なりで高い手を和了できてトップ獲っているような展開ではなく、分岐点があって押し引きが間違わなかったことで僅差のトップを獲れたという展開が多く、(もちろんある程度恵まれた展開の中ではあるけど)実力で獲ったトップという感じが強い試合が多い。パイレーツの他の選手が出ていたら同じようにトップが獲れたか?と問われるとそうでもないような展開も多かったので、価値が高いトップを獲っているように思います。

 ほぼ最後の6文字だけで245いいねまで伸びたツイートがこちらです。

 こう見えてインタビューではゴリゴリに麻雀の話ばっかりしたがるところも好感持てます。天鳳出身なのにMリーグ全体で見てもかなり鳴かない寄りで、それでMリーグ内での押し引きバランスが安定しているというのも面白いところ。瑞原さんがたくさんトップ獲ることで、Mリーグは視聴者数も上がるし話題性も上がるし、瑞原さんがMリーグに参戦したことは興行的に大成功していると思います。
 2021年のMVPだけにとどまらず、「2021年にMリーグが輩出した新しいスター」といっても過言ではないと思います


は?エッセイ?麻雀の戦術本じゃないの?
買うわ。






EX風林火山:松ヶ瀬隆弥

 わずか1年ちょいで、すでに強いことは充分証明できていると思います。そこはもういいとして、ずっと気になっているのは、強いのだけどそれが番組を面白くする方向につながっていないことです。麻雀強いのにMリーグに呼ばれていないプロってたくさんいるわけじゃないですか。呼ばれていない理由は言うまでもなく「エンタメ要素の不足」です。松ヶ瀬さんはオーディション採用だから実力以外は考慮されずに採用されたので、そこが弱いのは多少仕方ない面もあるのですが、それでも人気が出るようにキャラが立つように努力はもっとした方がいいと思います。
 特に気になるのは初年度から指摘していますがやっぱりインタビューです。(というか放送の中で選手がコメントできる場面てインタビューしかないので、選手のキャラクターを示すうえで重要な場面になってくるのは必然だと思っています。)Mリーグは純粋な強さだけが求められているわけではなくて、選手にフォーカスして応援してくれる視聴者をつけていく番組構造なんだから、もう少し頑張った方がいいと思います。淡々と普通のことを3~5分話しているだけなので、本当に何のためにこのインタビューを見ないといけないのかわからないといつも思ってしまいます。

 今回書かないといけないと思っていることがあります。私は松ヶ瀬さんとイクラを紐づけたnoteを書きました。これが思いのほか反響があり、もともとは「松ヶ瀬は異能を使っている」という話のnoteだったのですが、スキルの一つとして示した「イクラを食べると手牌に筒子(或いは赤5筒、赤牌)が固まる」という部分が特に強く広まり、さらに派生して「松ヶ瀬さんのイクラを食べるとトップが取れる」という説が広まっていったり、世間にさまざまなかたちで広まっていったムーブは正直かなりびっくりしました。


 しかし実は、このnoteを書こうと思ったきっかけはもっと後ろ向きな理由から始まっていました。

 2021年に松ヶ瀬さんが5連投した時も思ったのですが、今期も序盤、松ヶ瀬さんが勝ちをさらっていく展開を何度も観ていて私は、「最後まで観るのしんどいなあ…」と思っていました。シンプルに強さに人気が比例していなくて、TLも盛り上がっていないし、個人としてもチームとしても人気がないので、何割の視聴者がこの展開を望んでいるのだろう…?と思っていました。なんなら「視聴率クラッシャー」ではないのかとすら思っていました。一応断っておきますが、「人気がある人が勝つべきだ!」みたいな短絡的な思想を言いたいわけでは全くないです、人気とキャラクターってまた別だと思いますので。初年度は特に松ヶ瀬さんに興味が持てなかったですし、今でも「勝ってもなんかこう、喜んだり面白いこと言ったり芯にくるようなインタビューしてくれるわけでもないしな…」これが結構、観ていてしんどい要因として大きかったと思います。



 今期は松ヶ瀬さんが4300点のラスからいろいろ和了していって8500オールして50300点のトップになったところで、「…これ以上見るのしんどい…」と思って、何かが切れる音がしました。そこで、何かネタを付随しないとさすがに見てられないなと。松ヶ瀬さんが勝ったらもうちょっと盛り上がるようなネタを、キャラ付けして投下できないかなという狙いであのnoteは書きました。自分が視聴していてしんどくならないためにというのがメインで、あとは視聴者やTLがもう少し盛り上がらないかと思ってです。
 

 私立松ヶ瀬学園はすごい面白くてチャンネル登録者数も伸びているし、YOUTUBE始める前もスニーカーをターンテーブルで回してみたりと、松ヶ瀬さん自身は実は「何かしよう」という思いがあることは伝わっています。風林火山の誰よりもRTをしているし。それがイマイチ番組に面白さを持っていく方向につながっていないんですよね。本人が主張しないからか、周りもどうイジるとよいのかが未だに分かっていないように見えますし。そしてキャラが立ちきっていない割には強すぎる気がします。(松ヶ瀬さんが苦手でもあるこういう売り出し方面をチームや運営にバックアップを任せられないのも少しかわいそうです。例えばこれがサクラナイツだったらもっとキャラ付けしてもらえたのではないかと思います。) 

 インタビューや対局以外の場面をもっと面白くするといっても、松ヶ瀬さんも麻雀の真面目な話がしたいタイプだと思うので、無理に料理ネタとか自分がやりたくないことに持っていかなくてもいいと思います。堀さんも園田さんも、もともとはトップインタビューとか本気でやらなそうな性格に見えるのに、番組の中でどう振る舞うべきかを考えて、自分なりのフォームを見つけて毎回あれだけ視聴者を楽しませているわけじゃないですか。だから松ヶ瀬さんももっと考えて考えて試行錯誤すればやりようはあると思いますので、そこを「苦手だから」と一線引いてあきらめないでほしいです。

ーーーーーーーーーーーーーーー
おまけ:ちょうどこれを執筆しながら観ていた日清食品さんのイベント戦「麻雀星人VS地球代表」で3位だった松ヶ瀬さんのコメント。

松マスク(松ヶ瀬)牌が応えてくれなくて、どうにもならなかったですね…(*松ヶ瀬はこの対局で和了0)」

マツカヨいやでも松マスク選手、見せ場ありましたよ!南4局2本場、国士無双に向かいました。その中で日・清・食・品!見事作り上げましたー!

松ヶ瀬ハハ…日清食品揃いましたね。一応ギリギリまでは頑張ったんですけど…最後は可能性がなくなったところでちょっとあの…やめたんで…まあ最後までやっていても1シャンテンまでですよね。だから…残念です

いい加減にせえよ…。笑
マツカヨがこんなにいいフリをしてくれてんのに…。

「最後までやっていても1シャンテン」とかそういうことじゃないのよ…というか途中から何の話をしていたんだ…。


 こんなに面白いマスクをしていてどうしてこんな普通のコメントができるのよ… これはほんと、猛省してください。

渋に習って、配信で段位戦をやって、順位に応じてインタビューの練習するというのをお勧めします。あれはよいぞ。







【チーム&選手雑感完全版)】



赤坂ドリブンズ



ここから先は

25,867字 / 14画像
この記事のみ ¥ 250
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?