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【Mリーグ2021】ガチとエンタメの押し引きについて


 私がセミファイナル中盤に書いた記事「Mリーグ2021 みんなが言いにくかった辛口本音批評」の完全版をファイナルが終わった後に投稿できるように執筆作業しています。その中で、どうにもこのテーマだけ様々な箇所に登場し、かつまとめるにもボリュームがありすぎると思い、独立した記事として投稿することにしました。

そもそもMリーグはガチかエンタメか


 このことについては黒木さんのnoteの無料部分に分かりやすく記されており、私もその通りだと思ったので引用します。

 たとえばですが「Mリーグ」はエンタメでしょうか? 答えは間違いなく「エンタメ」です。そういうと「えっ、Mリーグはガチじゃないんですか?」と聞いてくる人がいるのですが、答えは「もちろんガチ」です。「エンタメ」と「ガチ」を対義語のように使う人がいるからこういうすれ違い起こるのですが「エンタメ」の対義語は「ガチ」ではありません。「ガチ」の意味は「真剣勝負」であり、その対義語は「八百長」です。もし「ガチ」の対義語が「エンタメ」だというのであれば、世の中の色々なエンタメが全部「八百長」という理屈になってしまいます。プロ野球などのスポーツや格闘技、知的ゲームなど、観客が見て楽しむものはすべて「エンタメ」です。そしてそれらは「八百長」ではありませんよね。ていうか、そうであってほしいと思います。では「エンタメ」の対義語は何なのかと考えてみたのですが、全然わかりませんでした。ネットなどで検索しても「これ」といった答えがありませんでした。 (有料部分に続く)

若手プロに知ってもらいたいこと Mリーグはエンタメかガチか
近代麻雀黒木さん著

  要するにガチの対義語がエンタメというわけではなく、Mリーグは両方の要素を持っているよね、ということだと思います。この点について完全に同意ですし、ガチの対義語は八百長でありエンタメではないというのもとてもわかりやすいなと思いました。エンタメの対義語がどういう結論になっているのか続きが気になるところです。(私はこのnoteを購入していませんので、この続きにどのような内容が記載されているかは知りません。近代麻雀さんのnoteは塚田さん著の回だけ購入したことがあります。)

 しかし、ガチとエンタメが混在する中で、どっちをどれくらい重視すべきか、押し引きバランスの取り方が難しいように見える場面はありますよね。一番分かりやすい例でいうと「まるこを出せ」問題です。赤坂ドリブンズ(以下、ドリブンズ)は丸山さんを規定上最低試合数である10試合+αくらいしか出場させません。しかしこれは反則をしているわけでも卑怯な戦術でもありません。ではなぜ賛否あるか?「エンタメとしてそれでいいのか?」という考え方があるからです。
 丸山さんの件だけでなく、Mリーグにはこのような本来なら規定改訂により整備した方がいいところが結構あるなと私は思っています。
 今回はそのガチとエンタメの押し引きがあると思える部分を挙げ、私が「こうあるべきじゃないか」と思う考え方を示したいと思います。

 明日からのファイナルを前に気持ちが高ぶっていてMリーグのことを考えたい人や、ファイナルが終わって夕方の時間に暇が出来てしまったけどMリーグのことを考えたいと思っている人にとって面白い読みものになっていれば幸いです。
 

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ガチ/エンタメの押し引き場面

・「まるこを出せ」問題


 いきなりこちらの問題について。前述のように、これはそもそも反則でもなんでもありません。
 しかし「チームとして応援している視聴者や丸山さんのファンからしてそれでいいのか?」という①ファンとしての感情面からの意見や、
 「Mリーグがこれまでの麻雀視聴者層と違う層を獲得したいと思っているんじゃないか、そう思った時にここまでガチガチにやるべきなのか?」という②興行面を考慮した意見、
 さらに突き詰めると「そもそも麻雀は運が絡むゲームなので確率的にそんなに変わらないからもっと出すべき」という③麻雀という競技の特性を考慮した意見まで発展し、実はかなり複雑な問題だったりします。他にもあるかもしれません。

 この件については以前ウヒョ助さんがnoteに分かりやすくまとめてられていますので、こちらもご参考ください。


私の個人的な意見は、
 ①は分かりますが、規定の範囲内なら強く言えないと思っています。つまりドリブンズが悪いというよりもMリーグのルールが悪い。ほかのチームだってどこまで配慮したらいいのか、各々のチームに任されすぎていると思います。
 ②の見方が私は一番強いです。ドリブンズは丸山さんの出場回数の件に限らず、(悪い言い方をすると「実力主義なのがチームカラーである」ということを言い訳にして)興行的な部分つまりMリーグの盛り上げ的な部分は他のチームに任せすぎているとも捉えられる点がいくつかあると思っています。詳細は次回のnoteに書く予定です。
 ③について、ドリブンズの3人で80試合近く戦ったのに結果が出ていないことがさらに問題をややこしくしていると思います。私は3人が結果が伴っていないのは別の問題であると思っています。(前回記事でも少し触れましたが、ある程度まっすぐ打つ人が成績が安定していて、相手に対応する打ち方をする人が成績が安定していないことが四年の結果である程度はっきりしてきていると思います。)Mリーグに適した打ち方ができる人が多く出た方が間違いなくチームの成績が安定するはずであると思っています。
 
 以上のことから、非常に単純な結論で申し訳ありませんが、現在のMリーグの規定である最低出場回数10回を15回ないしは20回に引き上げればいいだけだと思います。チーム戦なので20回にして4×20試合、残り10試合分はチームで判断するようにした方が戦略性もあっていいんじゃないかと私は思います。もちろん選手の都合がつきにくかったり、このご時世なので何かあった時に対応しにくいという点もあるので、やや柔軟な15試合規定でもいいと思います。
 今期の試合数で考えると丸山さんが12回で他の選手は全員15回以上試合していますので、最低出場数を15回としても問題ないと思います。ちなみにKONAMI麻雀格闘倶楽部(以下KONAMI)とTEAM雷電(以下、雷電)は4人とも20試合以上出場していました。
 これはドリブンズがもっと丸山さんを出すように規定を変えるというよりは、むしろ他のチームがどこまで配慮した方がいいと考えているか統一されていないことの方が気になるからです。他のチームの傾向や視聴者の意見を様子見しながらバランスをみて調整していくというやり方は本質ではないと思うので、意味があってしっかり機能する範囲の規定がある方が好ましいからという考え方です。 

・強い選手の連投

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