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Mリーグに用語解説テロップが追加/そろそろ「番組の目的」を再定義してみては?

 12月1日(木)の放送より、Mリーグの実況・解説で出てきた用語を説明するテロップがつくようになりました。

冥府のツイートがこちらです。

 
  この試みについて思ったことをツイートしようと思いましたが、かなり小分けになるし、noteにするには短くなりそうでどうしようかと思いました。最終的に後半の部分が書いてみると長くなりそうだったので、noteにしよかなという結論に至りました。


用語解説テロップを流すことについて


 大前提のお話です。
 私のnoteでも何回も書いていますけど、私は結構「Mリーグ」の箱推しです。これまでの麻雀番組と一新して、新しい視聴者層を獲得して成功しているこの番組は凄いと思っているし、麻雀業界ならびにこの番組の発展を期待応援しています。
 そして近年のMリーグは選手の背景紹介やドラマをどんどん重視する傾向にあり、今期は役表示なども追加されていてライト層をターゲットとしていることがより明らかになってきています。ライト層だけでなく麻雀のルールを知らない人まで視聴者として取り込めていることがこの番組のすごいところだと思っています。
 だからテロップ表示を入れたこと自体もそうですが、これを採用したことで「初心者でもより分かりやすく、より見やすく」の方向性をはっきりと示してきたのがいいことだと思いました。


実際に流れたテロップについて

冥府のツイートの画像をアップにすると、

「ションパイ 場に出ていない牌」
「塔子(ターツ) あとひとつで順子(シュンツ)になる形」

 こんな感じで、日吉さん・河野さんの実況解説に対応して即座にテロップが流れる形式でした。この手間のかかりようには本当に感服ですね。スタッフの番組愛を感じるといいますか。

 解説する用語の線引きはちょっと難しいかもなと思いました。ほかに私が覚えているのは「チーテン」「フリテン」「ノーチャンス」「ワンチャンス」などがありました。

 あくまで私の感覚に過ぎないのですけど、「ノーチャンス」「ワンチャンス」これは公式用語でないし、ライト層で意味が分かっていないという人が多そうな用語の代表格だと思いますので、テロップ説明が必要なのは納得です。「チーテン」は瞬間的には「え、これ分からない人いるか?」と思ってしまいましたが、ほとんど放送対局を観たことない人だと解説による確証が欲しいかもしれないし、そもそも造語っぽいので納得できました。
 「フリテン」は説明は要らないんじゃないかなーと私は少し思ってしまいました。あくまで私の認識なので間違っていたら申し訳ありませんが、「フリテン」は公式用語なので「一発」「裏ドラ」とか、もっと極端に言えば「ポン」「カン」「チー」などと同列、つまり解説不要という認識でした。だからほかの用語は説明がないのに「フリテン」だけが出てくるのは多少違和感がありました。

 こういうのって加減が難しくて、用語解説による補助輪があまりに多すぎると、自分が視聴者のターゲット層じゃないように感じられたりとか、ちょっと面白くない番組に見えてしまうということもあるんじゃないかと思います。
 まあこの辺りは今後、試行錯誤ですよね。
 もっといい方法があるかもしれないし、視聴者層が移り変わっていくと、もっと選手のドラマに寄せて、最強戦みたいに趣味や好きな食べ物が出てくる方が需要があるかもしれないですね。


 (追記)あと気になったのは「ワンチャンス」「ノーチャンス」この説明が観ているだけで4回以上は出てきました。その日のはじめ1回か2回だけでいいかもしれないし、そんなに何回も出さないと分かりにくい言葉なら「Mリーグでは解説としてNGにする」というのもひとつの方法なのかなと思いました。(ゴロチとかロクチッパとか、点数のイチサンニーロクとか「略称」はMリーグの解説では極力言わないように配慮されているので、こういう扱いの中にしてもいいのかも、と。)
 

藤崎さんの「リューハ」はどうなるのか?

 おそらく視聴者の半数以上が気になっているのがこれです。用語解説テロップを示す定義をどこに設けているかによりますが、対象とされてもおかしくないのではないでしょうか。これは実は正式名称なのですが、初心者が聞いてわかる言葉かというとそうではないですよね。

 


番組の目的を再定義してみては?

 ここからはテロップの話を飛び越えて、「こういう傾向に番組が進んでいくのであれば、番組の目的を再定義して明確化してみてもいいんじゃない?」ということについてのお話です。

 私が少し気になっているのは、番組がライト層向けになってきていることは見て取れるのですが、これについて、番組側から公式に「そうしていく」といった方針展開の発信があったわけではないことです。これらはあくまで視聴側の推察に過ぎないわけです。ですので、番組として発足当時と方針が変わっているのかとか、より明確にこういう方向に向かおうとしているとか、そういうことが明確化される方が見やすいし、応援しやすいし、定義に基づいてどうかという視点で考えらるので、何よりnoteが書きやすいです。


 ここでMリーグの公式サイトにある、Mリーグの指名、理念、目的をあらためて観てみましょう。



 これらの文言は開幕当初と変わらなくて、大筋の部分ではこれまでの麻雀団体よりもずっとまともなことが書かれていて、私はとてもいいと思っています。特に賭博に関する点、まだまだ課題はありますが、新しい試みだったし、実際私が学生だった頃と違ってMリーグ発足後に麻雀を知った中高生は賭博のイメージがかなり軽減されているように思います。それは凄いことだと思います。

 しかし、一部選考基準やリーグの立ち位置について書き方が曖昧な部分があり、そのため開幕当時からずっと批判や議論が尽きなくなっている面もあるかと思っています。具体的には「トッププロ」とか「最高の競技」とかこれらの定義についてです。この辺りは擦られまくっているので今更ですが、これらの言葉は純粋に強さを指しているのか?そうだとしたら選手選考の基準がエンタメ寄り過ぎていて、適していないのではないか?みたいな話がずっとされています。
 最近ではこういった議論は結構減ってきていますが、それは番組の方針転換が明らかに見てとれることと年月の経過によって、ほとんどの視聴者が「この番組はエンタメとガチの両立」だと勝手に解釈しているからです。それでもとにかく面白いから、納得して観ている人が多くなってきているから、こういった声を挙げる人が減ってきているんだと思っています。つまり視聴者の見方が鍛えられてきたので問題提起されなくなってきたのではないかと思っています。
 しかし先日の川村さんの一件のように、これまでのMリーグの過程を知らない人が、上記のような開幕当時と同じような内容を問題提起するということは、やっぱりこれらの文言と今の番組構造が合っていないということだと思います。

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