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俳句 十句妙 一月

    令和六年一月


啼く鳥や波に冬日の揺らめひて


街の灯をにじます雪のちらちらと


凍結のかたち儚き水匂ふ


歯磨きの三本ならび冬かをる


雪もよひ寝坊している日曜日


ひと片の苦きものあり六花むつのはな


雪なぶり冷たく心刺しにけり


にぎやかに春を探ぐるや寒雀


五羽十羽ふくら雀に視線あり


あの人は冬猫かたいチョコレート


─ 林 花埜 ─

『 俳句十句妙 』より


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