14 日本シリーズ第六戦

さて、日本シリーズ第六戦である。

ルールに惑わされず、俺たちは、野球をしていた。

ここで言う“俺たち”は、両チームの選手全員のことだ。

そうなのである。

キンタマジャイアンツもキンタマファイターズも、もともとは、ただの野球が好きな子供だったのである。

第五戦で原点を取り戻した“俺たち”にとって、“大人”が決めたルール改訂なんて、関係なかった。

夢中になって、白い球を追いかけ、悔しがり、嬉しがり、仲間を称え、時には相手選手の気迫のこもったプレーにまで、清々しさを覚えていた。

現在9回裏。我々ジャイアンツが5-2と3点のリード。

ここで決める!!

マウンドに相手のピッチャー斎藤が出てきた。

ん。

キャッチャーがおかしい!あいつは誰だ!!なんだ、あいつは!!

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