斎藤幸平✖︎佐伯啓思対談イベントまとめ


2/19ジュンク堂イベントでのメモ書きの抜粋
一字一句正確ではなく、表現も変わっていると思います。

脱成長に保守も革新もない

佐伯:自分はずいぶん前から脱成長。ただ、マルクスからは1年学んで離れた。資本対労働、資本家による労働者への搾取、つまり労働価値で資本主義の発展が説明できるか疑問。株をもてばある意味資本家だし、問題はもっと複雑では。

斎藤:脱成長は、気候変動や格差などが問題であり、保守・革新は関係ない。マルクスは、富の商品化を指摘している。本来なら格差に苦しむ人から声が上がるべき。だが今、私たちはNISAなどを通じて資本主義の発展を願うようにすら、なっている。商品にに振り回されることになっている。

佐伯:問題は複雑化している。誰が作為的に自分を苦しめるのか、誰に文句を言えばいいのか、分からない。だから、「やりすごす」。

斎藤:20世紀型の革命ではダメ。マルクスの試みた19世紀のコミューンを参考にすべき。全てを変えることは難しいので、資本主義どっぷりから、半身にすることから始めればいい。

佐伯:問題はもっと広い。近代は医学も全てiPSのような進化を生んでいる。近代とは、自己の拡大と地球を小さくすること。そして、それが資本主義とリンクするならと、資本主義に惹かれる人もいる。

文化を守ることは資本主義を遠ざけること

佐伯:日本人は本来、自然と共生する文化。自然を物質化した西欧文化とは違う。

斎藤:日本人こそ資本主義に文句も言わず、朝7時に電車に乗っている。フランスはストで石だって投げる。

佐伯:それは西欧文化が人間中心主義だから。徹底しているからこその反作用だ。日本文化を思い出すことが必要。

斎藤:富とは文化的なものだ。文化を守ることから資本主義に半身になることが見出せる。

佐伯:人を窮屈にするのは資本主義。ノー残業デーで喫茶店で働く。ポリティカルコレクトから外れると鬼の首を取ったように叩く。日本人はもっと横着でいい。

ハックしていく
(資本主義批判本が売れ、資本主義を活性化しているという指摘に)
斎藤:ハックしていく。資本主義のやり方で広めながら「資本主義のやり方がいいのか」と広めていく、こう考えている。

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