『フロイトのイタリア』

危機を完全に回避することはできないが、危機をなるべく先送りすることは可能かもしれない。
世界の精神的不安定に対する特効薬はないが、ゆっくりと世界の体質を改善する薬はあるかもしれない。
その一つの可能性は歴史。
歴史に関する知識が豊かになれば、多くの人が短期的な利害を離れ、長期的な視野を持つことが可能となる。
しかし、歴史といっても理論や史実そのものに世界を安定化させる力は弱い。
また、近い歴史はむしろ世界を不安定にする可能性が相当あるが、遠い歴史は安定化につながることが多い。
フロイトの例を見れば、個人の精神の安定化に効果が高いものは古代・中世の遺物。
そして社会の精神の安定化に効果が高いものは古代・中世の建造物である。

「旧興宗教」と科学、そして『フロイトのイタリア』
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/4de312637ee7ac322496f7afd05f7693
クロトーネとピタゴラス教団
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/74bea61b09763ddd760f3fb52a937a5e

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