ペルガモン博物館との異同

古代・中世の遺跡の復原というと、ベルリンのペルガモン博物館のような例もありますね。
こちらは「本物」をそのまま持ってきて大規模に展示していますから、相当な迫力があり、古代・中世の世界観にある程度近づくことができそうです。

ペルガモン博物館(「世界遺産オンラインガイド」サイト内)
https://worldheritagesite.xyz/contents/pergamonmuseum/
Pergamon Museum
https://en.wikipedia.org/wiki/Pergamon_Museum
Pergamon Altar
https://en.wikipedia.org/wiki/Pergamon_Altar

しかし、「ペルガモンの大祭壇」にしても、そこでかつて行われていた宗教的儀礼が再現される訳ではなく、一切の宗教的要素は剥奪されています。
見学者も何の宗教的感情も持たずに接するのが普通だと思われます。
もちろん、過去の宗教的儀礼の再現は大変困難であり、詳細な記録が残されているような例外的ケースを除けば実際上殆ど不可能かもしれません。
しかし、その場合でも、過去の宗教文化に対する畏敬の念をもって接することはできそうです。
日本の神社だって、そもそも祭神が何かすらはっきりしない神社は多々あります。

氏家の今宮明神
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/aa464c4a10bc2883cec966615304da82

しかし、そのような神社であっても、神道の一定の儀礼で神格に対する畏敬の念を表現すれば立派な神社であると私は考えます。
畏敬の念が一切存在しない「博物館」と、微かではあっても一定の儀礼を通じて畏敬の念を表現できる「里宮」の違いは大きいと私は考えます。

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