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1-14.ファッション業界で経営をしていくには、感性はあまり必要ない。商売は統計で、客観的に見ることのほうが大切です。

1-14.ファッション業界で経営をしていくには、
  感性はあまり必要ない。
  商売は統計で、客観的に見ることのほうが大切です。
  ファーストリテイリング社長 柳井 正

 一品当たりの単価3,000円程度の安価なカジュアル衣料品を販売する店舗「ユニクロ」を、年間50店舗のスピードで全国展開していたファッション・流通業界の若き革命児、柳井正。
ユニクロUNIQLOの命名は、ユニーククロージング、つまり、通常と異なる独特なデザインで縫製を簡易化した衣料品を開発し、低価格を実現したことからつけられたという。
デザイナーはニューヨーク、生産は中国、市場は日本ということで始まったが、いまやユニクロは世界のブランドになっている。グローバルなモノ作り体制を構築して、不振が続くアパレル業界で一人勝ちと言われる。

 その柳井が言うのだから、表題の言葉は非常に奇異に感じられるだろう。ファッションとくれば、何はなくても感性と考えるのが普通である。ところが柳井は感性は不要だと言う。

「ファッション業の経営で本当に感性が必要なのかといえば、僕はあまり必要ないと思う。センスがおありでしょうとか、感性が大事でしょうとか言われますが、商売は統計みたいなものです。自分の好き嫌いより、確率の高い商品を売るとか、客観的に見るほうが大切です」 

 言われてみれば、なるほどと思う。ファッション業界といっても企業の経営である。感性さえあればというわけにはいかないのだ。

 従来多かったデザイナー経営者とは一味違った、新しい時代のファッション業界の経営者が出現したということかもしれない。


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