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【MTGレガシー】溜め込む親玉の強相関系を愛でる

はじめに

 一万枚を超えるカード間に生まれる数多の相互作用について、競技レベルかどうかを問わず、心躍る部分を愛でていこう。今回は機械兵団の進軍で注目の新人《溜め込む親玉》について。気になるままにつらつら列挙していきたいと思います。

《溜め込む親玉》について

どことなく漂う濁浪の風格

 一見、《ルーン傷の悪魔》が1マナ増えた代わりに、召集を得ただけのようにも見えなくもないですか、やはり一番最後の一文が興味を引きます。

あなたが追放領域から唱える呪文は召集を持つ。

 このおかげで、黒1マナの呪文であれば《溜め込む親玉》即タップでただでキャストできるという。なんか悪さしてくれと言わんばかりで最高ですね。
 ぱっと思い付くのは、《ルーン傷の悪魔》の時と同じく、《Sacrifice》&《Burnt Offering》を使ってマナに変える動き。

《メタモルフォーゼ》もあるけど、
今回は黒いかどうかが結構重要

 改めて探してみましたが、流石に《溜め込む親玉》からお手軽1枚コンボというわけにはいかなさそう。できてしまうと《再活性》や《実物提示教育》から大暴れするので、そりゃないか。という印象。一応ターンをかければ《儚い存在》から2枚サーチはできます。反復は手札から唱えた場合しか誘発しなかったです。
 フェアに使う際は、実質タップインになるとはいえ《ケイヤ式幽体化》などで実質的な除去耐性を持たせられそうなくらいかな?という印象です。わざわざそのために入れるかとか、インスタント除去打たれるならETBにスタックだと思うのでどうせかわせないと考えると誤差みたいなもののように感じますが、《ルーン傷の悪魔》と比べてフェアに使っても強そうなのは良いですね。パワーも上がって3回殴ったら勝てるのは重要ですね。《よじれた実験》サーチしてくればパワー10!
 ということで1枚コンボは置いといて、《溜め込む親玉》が場に出た後、手札の1枚と合わせて2枚からコンボスタートとするならどうか?を考えてみました。この場合、〆方含めて色々バリエーションがありそうなので、それぞれ見ていきたいと思います。

ステッカーを貼ってみる

 スポイラー公開前は、レガシーリーガルということで、どんな影響があるのかワクワクしたUnfinityでしたが、蓋を開ければまぁまぁ空気だった。なので検索して初めて認知した《Scampire》。

ステッカー貼れればマナの限りリアニできる

《溜め込む親玉》→《Sacrifice》で即8マナ出した後、《Scampire》キャスト&起動までできるので、ライブラリー中に《Sacrifice》&《Burnt Offering》がある限りマナのおかわりが可能に。《Sacrifice》5回繰り返せば16+4マナ貯まるので、《溜め込む親玉》ETBから《引き裂かれし永劫、エムラクール》キャストで気持ちよくなれそう。追加ターンで殴る頃には《溜め込む親玉》は追放されてますが。
 《引き裂かれし永劫、エムラクール》よりも《深淵への覗き込み》の方がワンチャンハードキャストできそうなのでそっちの方が良いかもです。
 ただ《溜め込む親玉》出すまで手札で腐っている《Scampire》のことが気になります。先出ししてしまうと《溜め込む親玉》にステッカーが貼れないので。なんやねんステッカーって。ちなみに《帰還した王、ケンリス》は10マナ必要なので無理ですが、《狂気を操る者チェイナー》なら大丈夫です。ライフ20点スタートのレガシーで3点ルーズを繰り返すのは辛いですが。

踊ってみる

 では《Scampire》より腐りにくいのでは?という観点でこれをピックアップ。

令和にバイバック

 これなら手札に2枚あっても《納墓》かディスカードでさっさと《溜め込む親玉》を出せそうだ。バイバックならコンボパーツを失うこともない。そして速攻を付与できるのなら《溜め込む親玉》4体場に出せばほぼ勝ちで良いのでは?
 ということで《生き埋め》&《死体のダンス》3回分のマナ、計12マナ捻出できれば実現できそうです。具体的な手順は、《溜め込む親玉》ETB→《Sacrifice》or《Burnt Offering》から《死体のダンス》キャストで3マナ生まれるため、4回繰り返せば計12マナ&《溜め込む親玉》ETBが誘発した状態になります。
ここから《生き埋め》を持ってきて即キャスト&バイバック支払わず《死体のダンス》で2体目の《溜め込む親玉》を釣り上げる。するとライブラリから《死体のダンス》を持ってこれるので3体目、4体目の溜め込む親玉》を釣り上げていけます。
 ここまで考えて《生き埋め》だとわざわざ一枚入れなければならないため、自然と入っているであろう《納墓》を使えば良いのでは?となりました。
《溜め込む親玉》ETB→《Sacrifice》or《Burnt Offering》から8マナ生成、そこから《死体のダンス》キャスト、残り3マナ。
上記を6回繰り返せば、18マナと《溜め込む親玉》ETB誘発した状態になりますので、《納墓》を持ってきてこれをマナで唱える&4体目以外はバイバック込みの《死体のダンス》でリアニを3回繰り返せば、計4体の7/6飛行、速攻が揃うはず。このターン決められないなら更地というのも最高にエモい。

濃霧ですか?投了します。

 一応《Sacrifice》、《死体のダンス》、《納墓》いずれもインスタントなのでソーサリータイミングの墓地対策すり抜けやすく、インスタントタイミングの墓地対策でも一枚だけならスタックの上からアクションできるというところが魅力的に見えます。

チェンソーしてみる

 たまたまですがUnfinityからもう一枚。こちらはUnfinity発売の1年近く前から公開されてたこともあり有名な《Saw in Half》。《クローサの獣》をチョッキンするより楽しいことしようぜ。

夢バトルしようぜ!

 《溜め込む親玉》着地後、真っ二つにしてやるという。最高にエモいじゃあないの。《Saw in Half》が地味にインスタントなので、《溜め込む親玉》に対する除去スタックでぶっ放せれば最高に気持ちよさそう(ただ、3マナは普通に重い)。
 また《Saw in Half》の場合、《溜め込む親玉》ETBから《暗黒の儀式》で足りる(というか《Sacrifice》使えない)ので、構築ハードルは下がりそうなのが良いですね。
 また死亡誘発さえすれば良いので《虚空の力線》のようなヘビィな墓地対策でないと妨害されないのも良き。
 《溜め込む親玉》ETB→《暗黒の儀式》から《Saw in Half》を唱えてやれば《暗黒の儀式》と《Saw in Half》がおかわりできます。《溜め込む親玉》キャスト〜《暗黒の儀式》&《Saw in Half》をそれぞれ4回ずつ唱えれば、計ストームカウント9&4マナ貯まるので、そのまま《苦悶の触手》が撃てます。
 他、黒マナと赤マナの組み合わせで唱えられる2枚コンボでもフィニッシュできます。コンボに必要なマナが8マナ以下のヘルムヴォイド(《ダウスィーの虚空歩き》&《Helm of Obedience》)なんかがお手軽かも。クリーチャーコンボの方が《Saw in Half》が腐り辛そう。
 また、先の2枚とは違い《Saw in Half》であれば《溜め込む親玉》から持ってきて唱えることで実質1枚コンボにできそうです。《儚い存在》同様次のターンになりそうですが。

デッキ未満

 今回は《溜め込む親玉》と噛み合うカードとして、《Scampire》、《死体のダンス》、《Saw in Half》の3枚を挙げてみました。それぞれ差別化要素があって楽しそうです。
 《Scampire》はカードパワー的に一番低そうですが、クリーチャーであること自体がなんだかんだシナジーあるので候補に残しました。《溜め込む親玉》を釣り上げる場合、同様のプロセスで《Scampire》も釣り上げられる。召集に貢献できる&召集でタップしても能力起動できる。《儚い存在》使えば後からでもステッカー貼り貼りできる。などなど。
 《死体のダンス》は、この中では一番カードパワー高そうで、《グリセルブランド》シュートしたりサブプランを見出しやすそうですが、オールインコンボに寄せるなら既存のリアニメイトデッキの方が良いはずなので難しいところかもしれないです。
 《Saw in Half》は一番良いフレイバー醸してます。チェンソーマンってデッキ名付けて試してみたい。《石鍜冶の神秘家》真っ二つにして《カルドラの完成体》と《殴打頭蓋》を並べてやっても強そう。
 デッキにするなら、黒単でリアニに寄せるよりミッドレンジか墓地対策躱せる構成にするほうが良さそうに感じました。例えば青を入れて《実物提示教育》からコンボ決めに行くならわざわざ墓地対策に引っかかる《Scampire》や《死体のダンス》より、若干耐性のある《Saw in Half》の方が良いような。
 白加えるなら《儚い存在》忍ばせておくことで、除去をかわしたり、ターンが返ってくれば殺せるようにできるので、消耗戦に持ち込めればかなり有利に感じます。その場合コンボ専用の無駄パーツ(《Sacrifice》や《苦悶の触手》)を極力失くさないと、トップ勝負に持ち込んでおきながら自滅してしまいそうなのが悩みどころですね。他に《Saw in Half》と相性の良さそうな《石鍜冶の神秘家》も、生体武器で召集の頭数増やせたり、ソプターコンボ組み込めたりと《溜め込む親玉》筆頭に全体的にゆる~くシナジーしてそうで良いかもしれないです。《石鍜冶の神秘家》はデッキの枠を占領しがちなのでどのシナジー残すか毎回悩みます。
 ミッドレンジの場合《Sacrifice》を複数枚入れるか否かが分水嶺な気がします。相性の良さそうな《悲嘆》や探査生物(そういえば活躍の機会がなかった《墓甲羅、ゴーレックス》くん)でビートしながら、《溜め込む親玉》ぶちかますパターンでも成立するか考えてみたいと思います。

おわりに

 “マナ加速を組み込めるコンボは美しい”は、プロスブルームやピットサイクルが示した真理なので、《溜め込む親玉》の魅力も《Sacrifice》や《暗黒の儀式》ありきなのでしょう。ただ、もう少し召集で悪さできないか考えてみたいです。とりあえず、ワールドゴージャーとアルーレンのリスト見ながらビートプラン寄りで具体的にしていきたいと思いました。それらと比べたら、ターンを渡すとはいえ、《儚い存在》か《Saw in Half》をサーチしておけば《溜め込む親玉》だけでコンボ始められるという強みを活かすべきな気が今はしていますので、この方向で検討を進めようと思います。

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