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力士数から考える

ことし3場所の力士総数から。

初場所 605人(序二段204人、序ノ口31人)
春場所 604人(序二段202人、序ノ口32人)
夏場所 629人 (序二段216人、序ノ口43人)

夏場所で引退が12人。昨年夏場所は639人であった。年間で引退>入門が多い現在、例年春場所初土俵の力士が番付につく夏が総数のピークである。初場所は634人、九州は606人なのを見ると1年で10人程減少している。
昨年三段目の定員減に踏み切ったが焼け石に水というのか再び序二段との差が縮まっている。昨年と同じペースならば九州には570人台半ばまで落ちると予想される。

ベテラン力士は増加の一途。いわば潜在的失業者らしいが結局相撲社会に生きる糧を見出しているのだろう。若者頭や世話人はそのようなベテランに対する職務として存在しているが定年退職者がここ数年で続出しても新採用の気配がない。虎伏山が世話人から若者頭に転向するなど採用しないようにも思える。

見方を変えるとこのようなベテラン力士に勝てない若手にも問題があるだろう。いわば引導を渡せないのだ。
最年長の翔傑から上位5人のこの1年の番付推移を見ると

翔傑 三40→40→64→二8→三72→45
澤勇 口15→5→1→15→5→2
聡ノ富士 二56→78→89→91→57→85
芳東 三56→56→89→69→二7→三77
天一 二76→91→56→25→59→33

三→三段目、二は序二段、口は序ノ口

翔傑と芳東はコロナウイルス感染による休場があった。この影響か2人とも一時序二段陥落を経験した(翔傑は平9名以来151場所ぶり)が再度番付を戻している。序ノ口在位が125場所の澤勇はともかく後の4人は翔傑、芳東が三段目中位、聡ノ富士・天一が序二段上位を主戦場としているようだ。翔傑は幕下上位、芳東は幕内が最高位だが定員有の三段目に在位することである程度の力量は現在も維持しているとみていいのだろう。

現実的に関取候補者といえるのは幕下まででは。三段目中位以下に長期間在位している力士は潜在的廃業に近いのではないか。

例として5年前の初場所の幕下力士120人から何人が後に関取となったか、関取であったかを見ると11枚目までの22人は全員関取経験者となった。未経験のトップは12枚目の宝香鵬、安芸の花で合わせて120人中56人(46%)が関取経験を持ち最下位は47枚目の魁となった。この中には若元春(6枚目)、若隆景(17枚目)、一山本・霧馬山(21枚目)、錦富士(23枚目)、琴鎌谷(27枚目)、翠富士(39枚目)と現在の幕内も多くいる。
三段目を30枚目まで見ると60人中4人と急激に減る。やはり有望力士は幕下までは各段1場所並みに昇進するものだろう。幕下は約5割が関取経験ありということとなりその証拠として十分足りる。ベテランにはベテランの意義があるとはいえ三段目や序二段に長期間滞留する力士は結果的に相撲界へのイメージを落としてるのかもしれない。





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