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尊富士か大の里か

春場所は大詰めだが千秋楽を前にとんでもないことになった。


優勝をかける尊富士が実力者?の朝乃山と対戦、一方的な相撲で寄り切られた末右足を痛め、車いすで下がるというアクシデント。この分では出場どころか来場所にも響きそうだ。プロレスで言う断崖喉輪落としのような形で転落したのは不運であった。

ただ朝乃山の相撲云々より、豊昇龍戦に敗れた翌日は全身が吊っていたという。仕切り中から違和感があったようで頻繁に気にしていた。連日の相撲で疲労が限界に達していたのだろう。

上半身に比べ下半身の細さは一部言われていたが大一番ですべて崩れてしまった。

大の里は阿炎を落ち着いて裁き3敗を守る。しかし豊昇龍がまたもや強引な投げに行き琴ノ若にそれを見破られ体を預けられて敗れる。尊富士と大の里のいずれかに決した。

大の里が豊昇龍に勝てば決定戦、敗れると自動的に尊富士は優勝だ。尊富士は豪ノ山戦。とはいえ出場は難しそうだ。そうなると大の里が勝っても優勝決定戦が不戦で決まる。尊富士は大の里が敗れると優勝だが表彰式の出席もどうか。


過去休場ながら優勝もあり昭和48九州の輪島、平元春の千代の富士がそうだがいずれも手や肩であった。下半身の負傷は例がなく、本人欠席で師匠が代理というのもあり得るだろう。


優勝決定戦の不戦は昭和59初の三段目騏乃嵐が唯一である。騏乃嵐は膝のケガで幕内から三段目まで陥落し手の場所で、全勝したが大事を取って棄権したものだ。ほかに昭和14春の鏡岩VS盤石(鏡岩が疲労により棄権を申告の所、磐石も不戦勝も拒否し両者不戦敗)、昭和26秋の東富士VS吉葉山(東富士が高熱を押して出場、物言い取り直しから水入りとなりさらに同体の物言いとなったが東富士が棄権の所、吉葉山の希望で預かりに)があるがいずれも近年にはない。


大の里の優勝でも入幕2場所目、幕下付け出しの初土俵から6場所目で史上最速だ。ザンバラ髪の力士の優勝も前例なし。


貴景勝は勝ち越して休場。ある意味これが長続きの秘訣だろう。首の状態も悪く来場所も怪しいがある意味一番論理的な生き方だ。ケガ人多発の今場所だけに考えさせられる。


千秋楽を前に空前絶後の事態となっている。これだけ1度に史上初の事が起こるとは、相撲界も変化を要する時かもしれない。

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