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番付発表に思う

名古屋場所番付発表。新入幕が3人。豪ノ山、伯桜鵬、湘南ノ海とフレッシュである。十両でデットヒートを繰り広げた3人だが快進撃を続ける伯桜鵬がどこまで勝つかが注目だろう。幕内と十両には思う以上に力の差があるもの。北青鵬は上位には現状通用していない。

ここまでの伯桜鵬の星取で思い起こすのが雅山。幕下60枚目格付け出しでいきなり優勝、次場所も優勝し14連勝で十両へ。2日目星誕期に敗れ15連勝で止まったが、十両でも2場所連続優勝し(2場所目は14勝で1敗の相手は当場所引退の旭豊だった)入幕。いきなり7枚目だったが8勝2敗と優勝争いトップに躍り出た。この場所は横綱大関陣が続々休場し理事長が異例の謝罪をするなどまさに荒れる春場所だった。その後上位に当てられ9勝に終わったが敢闘賞受賞。末恐ろしさは過去最大クラスだったのでは。荒々しい風貌と肩のこぶが何とも得体の知れない雰囲気であった。
読売大相撲には

上位の不甲斐なさを救った雅山。39度の発熱をもろともせず持ち味を出し切る活躍は、なおさら番付不在と底の浅さを痛感させた。連続優勝の勢いが新入幕で幕内優勝争いに首を突っ込むとは。できすぎをほめるより幕内のレベル低下を嘆きたい。

激辛怒俵より

雅山の快進撃以上に壁とならなかった幕内の体たらくを嘆いていた。番付不在と底の浅さはここの所の相撲界に共通する。それでも当時は3横綱3大関が鎮座していただけましだが、現状背負って立つには不安しかない大関と満身創痍の横綱である。

雅山はその後負け越しもあるが上位に定着し平12初から三役で34勝を挙げあっという間に大関となった。 初土俵から所要12場所での大関昇進は輪島以上のスピード出世。しかし当時より同部屋の武蔵丸、武双山、出島と対戦しないこと、体力勝ちが多くこれといった型がないことが不安要素とされ、昇進の理事会で満場一致とならず起立多数になる異例事態だった。


その予想が的中するかのように新大関でいきなり負け越し(この落差は豊山に似る)。それまでの快進撃が嘘のような低調となり大関4場所目で1場所昇進の遅い魁皇に勝ち数を抜かれるという体たらく。平12九州には8連勝ながら後半1勝に終わるなど、相撲が定まらず苦しみ角番、カド番脱出の繰り返し。8場所目で関節脱臼により休場、あっさり陥落した。

雅山はその後復調し「新生雅山」といえるほどになったが大関復帰はならなかった。

何か新入幕前で長々と縁起の悪い話になってしまった。しかし伯桜鵬は組んで良し押してよしでかなり理詰めの相撲である。十両ながらモノの違いを見せ、雅山の初期にあった体力と勢いで勝つものとは大きく異なる。幕内の現状をみると伯桜鵬の進撃を許す確率も高そうだ。足が悪くとも十両昇進を決めた川副改め輝鵬とともに注目だろう。

照ノ富士の出場の如何によっても場所を左右するが貴景勝、霧島がどこまでいくか。関脇3人は引き続き大関を狙う。正代御嶽海は揃って2枚目。顔は二枚目とは... 朝乃山・宇良、北青鵬・王鵬、高安・玉鷲が東西に並んでいる。紫雷はようやく「新十両」。兄弟子の巻き添えを食ったが名ばかり十両に終わらず良かった。大の里は幕下3枚目で早くも十両を狙う。炎鵬はとうとう幕下陥落。出るのか出られるのか。

田中山が黒姫山に改名。祖父の名を襲名し41年ぶりに黒姫山が復活した。慶事といえる。祖父が健在ならばよかったのだが。

さらに八角理事長還暦。頭髪の薄い見た目からすればとっくに過ぎていておかしくない印象だった。大乃国北勝海と現役時代老け顔で20代での引退も後世より見ると信じがたい。横綱としては千代の富士の子分で終わった印象。還暦土俵入りも予定だがこれまでの還暦横綱はフサフサばかりでツルツルはいなかった。どんな風になるのか…

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