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上位の安定感

初場所12日目終わって琴ノ若1敗、2敗が照ノ富士、霧島、豊昇龍の3人。上位4人が残る。13日目は照ノ富士に琴ノ若、霧島豊昇龍といよいよ生き残りの直接対決。終盤に向けて下位の力士を薙ぎ倒して直接対決まで向かうのはあまり記憶がない。というのも大関陣がここ数年情けない状況だけに優勝争いなど望めなかった。

横綱大関が終盤まで全勝だった2004春が一番近いだろう。この場所は11連勝で横綱朝青龍、大関千代大海魁皇、12枚目の朝赤龍が走った。いよいよ12日目に魁皇に朝赤龍が組まれ、立合い一瞬の突き落としで朝赤龍勝利、12連勝が朝青龍千代大海朝赤龍の3人。つづく13日目朝赤龍は千代大海と対戦した。これが物凄い相撲で千代大海の小刻みな突っ張りに対し朝赤龍もひるまず突き返し、ひたすら突きいなしの応酬となった。漸く動きが止まり頭をつけ合う形に。しばらく互いに様子を伺ったが千代大海が一瞬叩きから突いてのど輪で押し、朝赤龍叩くところ腹を押しなだれ込むように赤房に押し出して決着。好調ぶりを示す押し相撲として珍しい1分を超える相撲になった。これで13連勝が朝青龍千代大海となったが、14日目2敗の魁皇に敗れ千代大海後退。朝赤龍は勝利し1敗を守る。千秋楽朝赤龍は若の里に敗れ決定戦の可能性はなくなり、朝青龍千代大海。千代大海勝てば決定戦だが頭で出て左のど輪で押そうという所、右のおっつけで受け止めた朝青龍が、足が流れた千代大海の腕を手繰り、左に引き落とした。朝青龍全勝、ほか3人が13勝という驚異の場所となった。

今場所はこれ程ではないが出場の横綱大関がしっかり残るのは珍しい。
それぞれの1敗2敗の相手をみると照ノ富士は若元春正代、霧島が翠富士翔猿、豊昇龍が豪ノ山阿炎、琴ノ若が若元春。若元春が2者を破っているが分散している。霧島は不安定でまさに負けない相撲といったところ。このままいくのか半信半疑だが。琴ノ若は押してよし組んで良しでプレッシャーを感じさせないが内心どうなのだろう。

特に引退も囁かれた照ノ富士が復調。立ち合いから堅かった大の里にもしっかり引きつけ豪快に上手投げで決めた。むしろ竜電~大の里と相撲がおとなしい、下位の好調力士と当たったのがプラスとなったか。正代戦の時点では休場可能性もあったはずだが立て直したあたり横綱といえる。



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