久しぶりに活字を読んで、、、

読んだのは町田そのこさんの『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』。今更過ぎるが読んだことがなかったのでしょうがない。とても良い本でした。感動しました。もっと早くに読みたかった。町田そのこさんは『52ヘルツのクジラたち』しか読んでなくて、そのイメージで読んだ。結構雰囲気は違かったけど。ただのハッピーエンドではない、逃げ切れない現実がちゃんと描かれていて、そこでもがいている人達に安心する。自分も頑張ろうと思うとかそういうのではないけど。なんか安心する。冷えた体が心地よい程度にぬるくなるお話です。

短編集みたいな感じなんだけど、「カメルーンの青い魚」と本のタイトルにもなってる「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」が好きだった。北人によって息しやすい場所と息しづらい場所はちがうよなーとなった。その人たちが出会って恋することも当然あるわけで、そりゃあ一緒にはいられないか。でもお互いの幸せを願うことはできるんですね。たまに交差して、また離れて、タイミングが合えばずっと寄り合い続ける。現実もそんな感じか。関東の田舎の話らしいのですが、なんとなく、小学校の知り合いが違う市の高校に行って(私の地元は結構な田舎でほとんどの子が市外の高校に行く。私もそう。)、「違う市の高校来て良かった、」って言ってたって人づてに聞いたのを思い出した。その子はチンピラとかではなかったけど。でも高校も就職先も地元で赤ちゃんも産んで幸せに暮らしている同級生もいる。
チョコレートグラミーは子供の話。子供は息しづらいところで必死に息するか、息しやすい環境に自分がするかしかない。自発的に移動することができないから。その中で子供らしく不器用ながらも素直に必死に支え合う姿を見て涙。子供も無知なりにいろいろ考えて生きているのですよ。そして巻末の解説でも言われてるけど、冒頭の「夏休みに入るちょっと前、近松晴子が孵化した。」っていう書き出しのセンスがまぶしい。これだけでもなんとなく言いたいことが分かるし。だけど、孵化、、どうなったの、、、ってその次を早く読みたくなる。この2作品だけでも読んで欲しい。何かに例えたいけど語彙力なくて言えない。もっと勉強したくなった。本を読めば良いのか。

「波間に浮かぶイエロー」を読んで思ったとがあるけど、それは本の感想とは少し違うので、別の記事で書きます。

やっぱり本っていいですね。インスタもTwitterも好きだけど、そこからは得られない養分があります。


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