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タトゥーOK求人、介護業界はどうなる?

あらゆる業界で人手不足が深刻化している昨今において、以前は完全にタブー視されていたタトゥーを入れている人であっても、採用をOKする事が増えてきています。

「タトゥーOK」求人増加中、USJに美容院やジムでも…「お客様の価値観も変わってきている」

そこで考えたいのが介護や医療業界。恐らくタトゥーを入れている人を採用する率が最も低い業界の一つでしょう。
僕も10年以上この業界で働いていますが、職員でタトゥーを入れている人を見た事はありません。

ただこのまま介護や医療業界が「タトゥーを入れている」だけで、採用をしないという体制を続けた場合どうなるか?
現役ケアマネの僕の考えをまとめてみます

※この記事を音声で聴きたい方はコチラから

他の業界に人材が取られて深刻な人手不足になる

結論を先に言えば
「他の業界に人材が取られて今よりさらに深刻な人手不足になる」
でしょう

その理由は、今働く人達が求めている事は単純に給料などの条件だけではないからです。

「会社やそこで働く同僚が、自分達の大切にしている価値観や考えを理解しようと努めてくれるか?」

これです。僕達人間にとって根源的な欲求の一つに、「自分の事を理解してもらいたい」というものがあります。

食べ物の好き嫌い、どんな仕事が得意でどんな事が苦手なのか?
性的嗜好、大切にしている価値観や考え方、宗教、好きな趣味
・・・etc

もちろんこれらの全てを周りの人に理解してほしいだなんて思っていません。
ただ数字で言うと100のうち70理解してくれるコミュニティAと、10しか理解してくれないコミュニティB。
どちらに居たいか?答えは明白ですよね。

実は介護業界というのは人手不足もそうですが、働く人の平均年齢が年々上がっている事も深刻なのです。いわゆる働き手の高齢化です。

どの業界も長期的に繁栄していく為には、定期的な新陳代謝が必要です。
つまりベテラン勢が引退するのと同時に、若い人材が入ってくる。
このような流れが必要なのですが、特に介護業界は若い人にあまり選ばれません。

その理由は様々ありますが、僕はこの業界が時代の価値観に対して自分達の価値観をアップデートできていない事が理由と考えています。

たとえばこのようなものがあります

  • 福祉の仕事なんだからお金をたくさん稼ごうとしてはダメ

  • 滅私奉公的な、自分達を犠牲にしてでも献身的に働くのが当たり前

  • 福祉の仕事は経験がものをいう仕事。だから仕事はベテランの人ほどできる

  • SNSでの情報発信なんて必要ない。あんなチャラチャラしたものは福祉の世界にふさわしくない

このような価値観にいつまでも縛られている業界に、若い人が他の業界より賃金が安い事が分かっていて働きたいと思うでしょうか?
仮に僕が現在新卒並みの若者であれば、選択肢に入る可能性は1%も無いです。

一方で介護の仕事に興味がある若者も一定数います。ただこのような古臭い価値観が嫌で避けられている面もあります。

人の採用というのは、なにも正社員だけではありません。今後はパートやアルバイトなどを空いた時間にやりつつ、自分の好きな仕事や趣味を楽しむというライフスタイルが主流になると思います。

その時に、副業の一つとして選ばれる為には、求人条件はなるべく広くする必要があります。
反対に「アレもダメ、これもダメ」となれば応募者の数が少なくなる。結果的に誰も応募してこない状況になるのです。

例えばタトゥーを入れている20代のA君。趣味はサーフィンで、普段の仕事はサーフィンショップなどで働いているが、休日の空いた時間にできる仕事を探している。


そして実は介護の仕事に以前から興味がある。正社員でガッツリ働きたいとまで思っていないけど、アルバイトくらいの軽い感じでならやってみたい。

この時、介護のアルバイトに募集しようとして確認したら「タトゥーを入れている人はダメです」となったらどうでしょう?
A君からすればタトゥーは自分にとって大切な価値観です。それを捨ててまでやりたい仕事で無ければ選ばないし、他のタトゥーOK求人の業界の仕事を探す事になるでしょう。

これはA君を採用できたかもしれないのにそれができなかった。雇用の機会損失です。

このような事態を減らしていく為にも、介護業界もタトゥーOKという価値観にアップデートしていく必要がありそうです。

タトゥーより大切なのは清潔感

ここで考えたいのが、「なぜタトゥーがダメなのか?」という事です。
僕達はこう考えている人が多いからです。

タトゥー=入れ墨=ヤクザ者

ヤクザ者、暴力団関係者。最近では「反社会派勢力」いわゆる反社なんて言われますね。

そのような人達を雇っているなんて知られたら、会社の信用を大きく損ねてしまう。だから採用しないという理屈です。

しかし僕達くらいの世代であれば、タトゥーがファッションの一つであることも大分理解が進んでいるように感じます。
それよりも大事な事は「清潔感」があるかどうかです。

髪がボサボサ、ヒゲを剃っていない、女性なら最低限のメイクもしていない
服はしわだらけで汚れがついている、靴が汚い、体を洗っていないのか体臭がキツイ

このような人はたとえタトゥーが無くても嫌われるし、採用したくもないでしょう。
逆にタトゥーがあっても清潔感があって礼儀正しく振る舞える人であれば、不潔でだらしない人を雇うより絶対良いはずです。

タトゥーがあるか無いかより、清潔感があるかどうか?

些細な事で、本当に大事な事を見落としてしまう事があってはいけないと思います。

介護業界も価値観のアップデートをし、「介護の仕事であっても、タトゥー入れててOK」
そのような業界になっていくことがこれからは必要になると思います。


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