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桜井進「数学で宇宙制覇」海流社


宇宙を制覇するということは無限・心理・永遠・愛を有限でとらえるということ・・。なんじゃらほい?ってかんじなのだが、我々地球人というのは、円周率や素数といった概念でその枠組みをつくっては無限を捉えようとしてきたというわけなのだ。

実は数学や幾何学ってやつがその役割をしてきた・・。アンドロメダ星雲の距離と10㎝は無限をベースにしたら全く同じものになる。今まで学校で当然のようにして勉強してきたピタゴラスの定理も実は「線の面積」や「完全な平面」を想定しているところであることから、実は実体としてはあり得ない想像の産物である!なんていう話はまさに目から鱗だった。

円や波を理解するには三角関数が大きな役割を果たすが、この三角関数は円運動を波として取り出したり、分解するツールになる。このツールがシンセサイザー、CTスキャン、携帯電話(電磁波)、電子レンジ(マイクロ波)を制御しているという。知らなかった~(汗!)。

それからガウスという大天才の存在を改めて知った。曲率を発見した大数学者だ。彼が非ユークリッド幾何学の始祖となる。つまり、ピタゴラスの定理も三角関数も曲率ゼロを前提としている、つまりユークリッド幾何学の手の中にある。しかし、現実的に宇宙は曲率の世界だ。

ニュートンは万有引力を月とりんごの比較で発見し、月が地球にぶつからない理由を明確にしたが、万有引力がなぜ生じるのかはアインシュタインの相対性理論を待たなければならなかった。アインシュタインが主張した「空間のゆがみ」はガウスの曲率がベースになっている。

トランポリンに落としたボールのように宇宙は曲がっている。トランポリンのへこんだ部分に物が転がっていく力、これが重力の正体なのだ。G(曲率)=T(物質エネルギー)、重力方程式のTには時間も含まれている。重力が弱くなるに従って時間は遅く進む。光の速さ=不老不死の世界、人工衛星と地上の時間は違う進み方をしている。そのズレを利用しているのがGPSなのだそうだ(はっきりわかってっか?)。

大天才ガウスを驚嘆させた19世紀の大天才がベルンハルト・リーマン。なんと!ガウスが発見した非ユークリット幾何学の世界はn次元多様体の一部だと言い放った。「位相幾何学(トポロジー)」の誕生である。そのあと誕生した「ひも理論」「超ひも理論」によれば、宇宙はもともと10次元であったことになる。ビックバン以前の話である。

ビックバンで4次元と6次元の世界が生まれ、4次元の世界が広がって今の宇宙を形成している。宇宙の始まりは137億年前なのだそうだ。もうここまでくると思考の限界を超えている。まいった~って感じ・・。最後に宇宙の謎をとく数字=素数のことが書かれていたが、「リーマン予想」ってのが、結局素数のあらわれ方を示す公式であったということもこの本で初めてしった。この素数の発見に国家機関が躍起になっている(国家のセキュリティに直結する)というのだから、この数の解明という仕事は世界を制覇する仕事になっているようなのだ。

いやはやこんな世界が広がっていたなんて知らんかった!それにしても数学って面白い!と50代にして初めて感じた。

数学という分野に関しては挫折だらけ!まあ笑われてもいい・・。
こういう脳も使わんとなあ (;^_^A

<初級問題>
・12センチのひもをつかって直角三角形をつくるとどんな比率になる? 
 答え:3対4対5
・完全数って何? 
 答え:自分を除く約数の和が自分の数と等しくなる数。
・2本の完全な平行線が交わる条件は?
 答え:非ユークリッド幾何学上、例えば球形の場合は交わる。

<三角関数の公式>
原点0から点Pまでの距離(半径)をr、点Pと原点とx軸が作り出す角度をシータ(Ө)とすると
x=rcosθ y=rsinθ

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