[ヨムベキ]浜口倫太郎先生の本たち

浜口倫太郎先生の小説の最大の特徴は、場面の風景や人物の心情が手に取るようにわかる文章です。
他の小説の作品とは違 い、ハッとさせられる文章が多く、気がつくと世界に引き込まれ、号泣しています。どの作品も最初の5ページを読むだけ で、心を掴まれてしまいます。中でも、「ワラグル」という作品が一番引き込まれました。若手芸人が賞レースでもがく、 苦労と葛藤を描いた作品です。人を笑わせるという職業がどれだけ大変で、血の滲むような努力がいるかを想像することが できます。お客さんを楽しませる準備が楽しくない努力のもとに成り立つという矛盾が非常に見につまされる思いです。エ ンタメコンテンツとして、お客さんの心を動かすという事が一番大事であると確信しています。笑いや感動、悲しみなど動 かし方は様々で、また、動かす手法も様々です。浜口先生の作品はその点で優れており、No１小説作家です。