愛をささやけなかった恋人
大学時代に私は自分では見た目からして色男とは思っていなかったが、同じ学科の女性から「色男 力と金はなかりけり」と揶揄されたことがある。
大した実力も金も持ってないくせに、女性とは仲良くしてることへの皮肉だったと思う。
確かに、かなが故郷に帰ってしまった後では、その寂しさを埋めるために女友達以上に浮気な恋ができる相手がそばにいた。
知子は私と同じように、浮気な恋ができる相手のように見えたキュートで魅力的な同じゼミの下級生だった。
彼女からも「わたしたちは 似てるわね」と言われた