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おいしい小説 ①



本が好きです。
もっと言えば、言葉のプロ達が紡ぐうっとりするような単語の組み合わせが好きなんだと思います。
特に私にとって魅力的なのは、食事シーン。
食事中ほど、官能的で甘美なシーンはないと私は信じています。
今まで読んできた本の中でも、実際に味わいたい食事、囲んでみたい食卓は数えきれないほどあります。
せっかくなのでそれを記録していくことにしました。いつかその食事たちを再現することも目標に。

  1. 犬とハモニカ/江國香織

江國さんの小説は、少しヨーロッパの風を感じるような爽やかでシンプルな食事がたくさん登場している気がします。
今回は短編集の一つから。

「端に据えられたどっしりとしたテーブルの上に、ハムやチーズ、シリアルや果物やヨーグルトが並んでいる。カップにコーヒーとミルクを満たし、僕は梨とヨーグルトを、マヌエルはパンとチーズとハムを皿に載せてテーブルについた。」/ 「アレンテージョ」(犬とハモニカ)

シンプルでなんてことのない食卓、でもこれ以上に完璧な朝食はありますか?
旅行先の宿泊所の朝食がブュッフェスタイルだとなんだか嬉しくなる、そんな気持ちを思い出しました。

「料理は、どれも素朴で健康的な味がした。ミルク菓子と呼びたいほどみずみずしいヤギのチーズとか、青菜とじゃがいも、パンと玉子の入った野菜スープとか。」/ 「アレンテージョ」(犬とハモニカ)

ミルク菓子と呼びたいほどのヤギのチーズ!!
これは味わってみたい、、、
江國さんが実際にポルトガルに取材に行って書いた小説だというので、実在するのでしょうか。

どちらも異国情緒溢れる色彩豊かな食事シーンで、とてもお気に入りです。


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