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竜とそばかすの姫の感想

色々と漫画や映画で好きな作品がありますが、
今回は「竜とそばかすの姫」について語りたいなと思います。





内容のネタバレを記載するため、映画を見てないから内容は知りたくない、
というひとは読まないでください。


↓↓以下、ネタバレ↓↓



私はストーリーの整合性がとれないものは
その整合性が気になっていらいらしてしまうタイプです。


子供とアンバンマン見てても、
水の中に入るときにヘルメットをしてるアンバンマンを見て
いや、なんでそれ常につけてないのよ
って突っ込みしたくなる人間です笑



そしてこの竜とそばかすの姫。
最初見たときに
整合性が合わなくてむしゃくしゃする!と思っていました。

最初にむしゃくしゃしたのは冒頭で主人公の母親が
亡くなった当時の話を説明するシーン。

子供の頃の主人公と母親が川で遊んでいる最中に
川の流れが強くなってしまい、
主人公達含む、川遊びしてるみんなが避難してるなか、
女の子一人が川の中央で取り残されてしまいます。

それを助けに行ったのが主人公の母親です。
母親が女の子を助けに向かった際に、女の子に自分のライフジャケットを渡してしまったため
主人公の母親は川に流されて帰らぬ人になってしまいました。


このシーンについて、私は最初見たときに
なんで男の人とかもいるのに主人公の母親一人で助けに向かわされてんの?!
他の人が持ってるライフジャケットとか譲ってもらえなかったの?!
と整合性が合わない感覚があり、むしゃくしゃしました。

しかし、この作品を見終わってしばらくしたあと
私はもしかしてこの作品は
わざとこういうふうに作ったのかな?と思うようになったのです。

なぜかというと、
このシーンの後で主人公の母親を良く知らない人達が憶測だけで
「子供を置いて助けに向かって亡くなるなんて、
子供のことを考えていないひどい母親だ」
とネットで文句を言われるシーンがあるためです。


主人公の母親は子供のことを考えていないひどい母親ではありません。
主人公と楽しく遊ぶシーンなど
良い母親であることがわかる描写があります。

だからこの映画を見る人達は
主人公の母親が悪く言われるネットの口コミを見て
ひどい母親じゃないのになんでそんなこと言われないといけないんだ、
と悲しい気持ちにさせられます。

その感情になる理由は、主人公と主人公の母親が
どんな関係だったかを映像で直接見て知っているからです。


この話を踏まえると、
主人公の母親が川に流されてしまう描写のときに
他の男性は助けにいかなかったのか、
なんでこれをしなかったのか?
という整合性が合わないという気持ちは
川に流されてしまう環境をきちんと知らないから発生してしまうのでは、と気づいたのです。

こうできなかったのか?
と映画のストーリーに整合性がない、と文句を言う行為は
主人公の母親が子供のことを考えていないひどい母親だとネットで書き込みした人達と同じ行為なのかもしれない、と気づいたのです。


もしかしたら男性が助けに行けない理由がなにかあったかもしれない。
それは、川のそばにいた人達しか知らない情報なのかもしれない。
ストーリーの整合性が合わないという意見は
その場にいた人達にとっては
何も知らないのに勝手なことを言うな、と思うかもしれない。


このシーンの他にも、
物語終盤、虐待されてる子供達を助けるために
高校生の女の子である主人公が
一人で子供達を助けに行くシーンがあります。
知らない土地に主人公一人で訪問したり
虐待している父親に殴られているシーンを見ると
なんで大人がついていってやらないの、
と最初はむしゃくしゃしました。

これも、一人で助けに行かないといけない詳しい事情があったのに
それを知らないから勝手なことを思ってしまったのかもしれないと気づいたのです。


ニュースやSNSでは日々楽しいことも、悲しいことも
色々と世界中で発生した出来事が
私達の耳に届きます。

私達はその届いた情報のみで勝手な憶測をして
あの事件はあの人が悪い、
あれはこの人が悪い、
と決めつけて
ネットで勝手なことをつぶやいていないでしょうか。

ニュースやSNSで事件の知って
こうできなかったのか、こう対処すればよかったのではないか、
と、考えるのは自由だし、考えるべきだと私は思います。
ニュースなどで知った悲しい出来事が起きないようにするためには
どうすればよいかを事前に考えて対処できるからです。

だからといって
お前がわるい、あれが悪い、
とSNSで何かを悪く言うことは
詳しい事情を知る人にとって
何も知らないのに勝手なことを言うな
と思われるのではないでしょうか。

そんなことを考えさせてもらったので、
竜とそばかすの姫という作品は
私の好きな作品の一つになりました。

作品を作った人がそのメッセージを乗せていたのかはわかりませんが、
こういう考えを持たせてくれたこの作品に感謝しています。

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