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【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?・・#10

5月18日の対ヤクルト8回戦、木浪は3試合ぶりにスタメンに復帰。守備で魅せた。

1点リードの9回1死、丸山和の高いバウンドの打球を一塁へ素早くランニングスロー。リプレー検証になったがアウト判定。捕球から送球まで一分の無駄の無い動きで甲子園を沸かせた。

一方、打撃は悔しい結果となった。追加点が欲しい7回1死満塁で相手投手星の前に投ゴロ併殺打。カウント0-2と追い込まれた後、150キロを越えるストレートと切れのあるスライダーを3球ファウルにするなど粘り、並行カウントまでもっていった8球目。外角低め151キロのストレートに手首を捏ね万事休した。

試合後「チャンスで打ちたかった。次にまた準備していきたい」と話すも、木浪のこの日の打席内容は悪くなかった。

2打席目でヤクルト先発ヤフーレのチェンジアップを捉え中前安打を放ち、1打席目もヤクル丸山和のファインプレーで安打を阻まれはしたが、146キロ真ん中に入ってきたシュートを右中間に良い当たりの打球を飛ばしていた。

この日、阪神打線はヤフーレに6回までわずか3安打。詰まらされ、身体を前に出されるなど翻弄される打者が多い中、木浪がいちばんヤフーレにタイミングが合っていた。虎党に打撃が上向いてきたことを感じさせる1日だった。

虎党の感覚は、翌日19日の試合で確信に変わる。木浪は2安打3打点でチームの勝利に貢献した。

第一打席、1点差に迫った1死三塁でヤクルト先発石川のチェンジアップを右翼フェンス付近まで運び1打点。昨日に続き丸山和に安打を阻まれたが良い打撃内容だった。

二打席目は石川の甘いチェンジアップを右前に安打し、続く第三打席で甲子園の虎党を沸かせた。

2点リードの八回、無死満塁。押せ押せムードの中、エスパーダが投じた初球、141キロ直球を強振。中堅・西川の頭上を越える二塁打を放ち2者を生還させた。

木浪は試合後、満塁で結果を残す心構えとして「満塁は特に気持ちが入るというか。空回りしないようにはしているんですけど。打つという気持ちではずっといるんですけど、満塁の方が強い」とコメント。

昨年から木浪は”満塁男”を襲名しており、今季もこの一打で満塁での成績は5打数3安打。「恐怖の八番打者」の帰還を虎党に予感させた。岡田監督も試合後の会見で「木浪も吹っ切れたんじゃない」と木浪の今後の奮起に期待を寄せた。

この試合終了後の木浪の打率は.228。開幕から低調だった打撃がいよいよ上向き、交流戦前の最後のヤマ場、広島、巨人6連戦に臨んだ。



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