夕立

中二の夏休み寸前の放課後

部活の途中


激しい夕立が降ってきた

今でいうゲリラ豪雨

みんなワーキャー言いながら

雨を避けるために

校舎の軒先に逃げ込んできた

ウチの中学校は、校舎の目の前に大きな運動場が広がっていてその向こうには、田んぼ、用水路、田んぼと見通しがよかった


校舎の軒下に駆け込んできた、僕たちは、ずぶ濡れなのと

あまりにも激しい雨でテンションが上がっていた


「すんごい雨だなぁ」

「あっち見てみぃ!雲が真っ黒まだまだ降るて!!」


するととなりで雨宿りしていた女の子が

「すごい雨だね」と僕に話しかける

僕は、

「そうだね」

と言おうと思って彼女に振り返った瞬間


息を飲んだ


部活の途中で駆け込んできたテニス部の、彼女の髪の毛から

雨の雫が


ポタポタ


彼女は、それをスヌーピーのタオルで押さえている


それが、雨雲のせいで少し暗くなった世界の中で

もの凄く輝いて見えた


「あっ!僕、この娘、好きかも」


と思った瞬間

ピカターーーンと運動場の向こうの電柱に雷が落ちた


僕も恋に落ちた


結局、その恋は、通り雨のごとく

成就しなかったけど


今でも、激しい雨を見ると思い出す


彼女の濡れたTシャツから

くっきり見えたブラジャーを

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