調律終了!

今年も夏の恒例・定期調律がやって参りました。

私のピアノは調律師さんから買っているので、以来この調律師さんひとすじ。他の方には触らせません。
もう何年になるのかなぁ。長いおつきあいになりました。数年前に大きな病気をされましたがすっかり回復され、実にお元気、初めてお会いした時から10数年たっているのに歳を感じさせないほど若々しい。そうでなければこの仕事務まらないのかもしれません、体力いりますから。

まず、スピネットと初対面。びっくりされていました(^_^;)
調律が10時からで、それまで少し時間があったのでいろいろお話し、なぜにスピネットがやってきたのか、チェンバロを習い始めたことも含めて説明しました。
「いい趣味持ったねぇ」と言われました。うれしかったです。

そしていよいよピアノの調律。
今年は了解をいただき、最初から最後までそばで見せていただきました。
興味津々♪

ピアノの調律とスピネットの調律は似たところもあれば違うところもあります。
ピアノの場合、「調律曲線」というものが存在します。中央部に比べて高音部はより高めに、低音部はより低めに調律します。どこのオクターブも一様に整えるのではないそうです。これは人間の耳の仕組みによるそうです。高音はより高さを強調してやらないと高くなったように感じない、低音はより低さを強調してやらないと低くなったように感じない・・・人間の耳って複雑です。
「だから、機械に頼っては調律できない」と。
なるほどねぇ。
ピアノの調律って単純に決まった通りの高さに合わせるわけではないのですね。

スピネットは調律曲線は特に気にしませんが(音域もピアノより狭いし)、最後は耳を使う点は同じ。

スピネットの調律をどのようにやっているのかきかれたので、「中央のオクターブのみチューナーで合わせて、そこから上・下はうなりを聴きながら合わせる」と言ったら大体はそれでよい、とのことでした。最終的には全部、耳でできるようになるのが目標だけど、それには長い経験が必要、とのこと。言葉で説明できるものではないし、自分の耳を頼りに経験を積み重ねるしかないそうです。
確かに(^^;

オクターブのユニゾンだけでなく、5度、4度、3度なども整えていくやり方を見せていただきました。
これはマスターするのは大変!

調律師さんはピアノだけでなくチェンバロもパイプオルガンも調律されるそうです。

でもスピネットの調律はやってもらわず。
なぜって自分でできないといけないし、もし今日いい感じに調律していただいたとして、明日には狂うから(^_^;)  狂いやすい楽器なんです、ピアノとは比べものにならないくらい。
手間がかかる楽器ではありますが、スピネットを入れたことによりピアノの音づくりにも関心が向くようになったのは大きな収穫でした。


調律が終わるとお茶をいただきながらいろいろお話をします。
近年の音大事情。
近年のピアノ教室事情・習い事事情。
調律師さんと親しいピアニストさんのお話。

音大の事情やピアノ教室の事情をうかがうとなかなかに大変なようです。
まず、昔(昭和の頃)と比べて習う人口が格段に減っている。音大も(大学にもよるが)軒並み志願者は減り、レベルも下がっていること。
ピアノ教室もいい加減なところではピアノをずっと調律しないところがあること。そんな状態なのに「うちで習うと絶対音感がつきます」と平気で謳っている教室もあること。それで調律師さんが「じゃ、この音はどう?」と狂った音を示しても「正しい音だ」と言って平然としているのであきれる、とかなんとか。いやはや・・・
それに対して一流のピアニストさんになるとちょっとユニゾンが狂ったくらいでもすぐに「調律に来てほしい」と連絡が入る、とか。
両極端、だそうです。。。


私はせっかく自分でも調律をやるようになったので、これからもっともっと音に対して敏感になりたいものだと思いました。

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