たどる

恋い焦がれて

気づいたら来てしまった

なつかしいこの公園

春になれば

ここは

桜が満開で

ふと薫るわ

あなたのつくった

玉子焼きの味が

かじかむ指先は

つめたい夜風に吹かれて

束の間

私のからだは

ぬくもりを求めだす

河辺に咲いた

こむらさきの花

眺めて

やがて

なくしもの見つけたときのように

家路をたどるのだ


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