コヨーテと山のふもと

あの山脈の頂きの
雪どけ水たちが
春の海へと帰ると
昨日までの雨が
なつかしい花に
朝露をたらしていった

この霧は晴れそうにはないよ
また心の奥底に沈殿した泥は
どこまでも
ぬかるんでいく ぬかるんでいく

今夜山から
コヨーテがおりてくるよ
さあ湯を沸かそうか
きりきりもみこむ
冬が来ても
だいじょうぶだよ
きっとだいじょうぶだよ

この霧は晴れそうにはないよ
また心の奥底に沈殿した泥は
どこまでも
ぬかるんでいく ぬかるんでいく

ここで言葉に
できないモノたちと
暮らして
どのくらい経っただろうか
梅の蕾はあなたが知らぬうちに
咲いていたんだ
咲いていたのだ

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