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【知られざるアーティストの記憶】番外:橋本永美子さんの写真集『ポートレート100人斬りラスト』が届きました😊

注文して楽しみに待っていた写真集が届いた。いったい私は人生で「写真集」にお金を払ったことがあったっけ?しかも、1万円の写真集に。いくら自分が映っているとはいえ……。

橋本永美子さんは今はバーレーン在住だけど、昨年までは日本の、我が町に住んでいた。「ポートレート100人斬り」を看板商品にして、1年に100人のポートレートを撮る。無事に100人を斬り終えると、100枚が勢揃いの作品展を開催し、写真集を発行した。名もない100人のポートレートは、それぞれの人生がにじみ出ていて、なぜだかすごく心を打った。それも、彼女の被写体の人生に向けた視線とその切り取りかたによるものだと思う。彼女がバーレーンに移住する2日前に100人を斬り終えた第3弾の写真集が今、手元に届いたのだ。


写真集の裏表紙

実はこの100人の中に、彼がいる。ほんとうはこの話は物語の最後までとっておこうと思っていたのだが、写真集が届いて我慢ができず、ご紹介してしまう。

彼が亡くなる約1ヶ月前の2022年6月1日に、私は永美子さんに彼を撮影してもらったのだ。彼一人のポートレートと、二人の愛の写真を。

撮影会は言葉に言い表せないほどの凝縮された愛の時間となり、あの写真作品を世に残してくれたことを奇跡のように感じる。

永美子さんに撮影を依頼した当初は、「ポートレート100人斬り」の撮影のつもりはなかったが、
「イクミさんはとても素敵なかたなので、ぜひ100人斬りの作品にさせてくれませんか。」
と彼女自身が彼に打診をし、彼も快諾したのだった。

その他の二人で映っている写真も含め、彼本人の承諾のもとで永美子さんのSNSやブログに掲載された。私の書いた撮影会の物語とともに。
知られざるアーティストの彼の姿が、作品としてこの世に残された貴重な出来事であった。

彼自身の承諾のもとで公開されている写真だから、私はここにご紹介したくてたまらないのだけど、やはり、全てを赤裸々に書いているノンフィクションのこの場でご紹介するのは慎みます。

彼は永美子さんの芸術表現に理解と称賛を表し、彼女がポートレート100人斬りに選んだ写真を見て、
「私は、これだ。」
と言って目を見張った。その写真が、今は私のもとで遺影になっている。彼女には、一生感謝してもしきれない。

今はバーレーンで活動中のフォトグラファー、橋本永美子さん


ちなみに、写真集のイクミさんの隣のページには、作家の乙武さんが笑顔で写っている。

100人の中には、私もいる他、私の知っている人が数多く写っている。その中には、私が「ぜひ、一緒に」と引っ張った人も含め、彼の遺品をもらってくれた友人たちが多数いるのがまた嬉しい。

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