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新しく未知なる結婚愛③

結婚愛 No.55

 前に投稿した「新しく未知なる結婚愛②」の続きです。こちらからお読みの方は、そちらからお読み下さい。

 精霊界から来た霊たちの話しを聞いていて、憤慨した天使たちは、右側すなわち南に立っていた人たちに話をしてくれるよう頼みました。その人たちは続けて次のように言いました。
・男性と女性の愛の場合、理性(理解力)とその理性への情愛の愛ですから、これは奥に入って結びつきます。そしてその結びつきこそ、その愛なのです。

・しかし、これは心と心の結びつきであって、身体の結びつきは伴っていません。

・つまり、心の結びつきだけに向かっていく推進力であって、霊的愛です。だからこそ純潔(貞潔)な愛です。

・この愛は「本当の結婚愛のうちにある人」にだけ与えられ、高貴な力をもっています。

・なぜなら、純潔だからこそ、自分の妻以外の、他の女性の身体からは、どんな愛の流入も受け付けないからです。

・しかも、非常に高貴な力(卓越した性的な能力)をもっているため「異性を愛すると同時に、不純(不貞)にたいしては嫌悪」せざるを得ません。

・したがって、このような人たちには純潔な性愛が存在し、これはそれ自身として見ると、霊的で内的な友情です。

・霊的で内的な友情が素晴らしいのは、純潔でありながらも、優れた性的な能力を持っていることです。その優れた性的な能力は、不倫などの淫行全般を遠ざけ拒絶していることから来ますが、同時に愛されているのは妻だけですから純潔なのです。

・なお、彼らが持っているこの愛は、身体からのものでなく、ただ霊だけからのものなので純潔です。

・そして、女性の美は、生来の傾向から来て、それが同時に心の中に入るため甘美なものになります。


 これを聞いて、側に立って聞いていた大勢の不純な人たちは、手を耳にあてて「おっしゃることは耳が痛いですよ。言われたことは、私たちには価値がなく、意味のないことです」と言いました。

 すると、また天国からあの甘美な歌が聞こえてきました。今度は前よりずっと甘美です。

 しかし、その最も甘美な天国の歌も不純な人たちにとっては、調子が外れた醜い音と聞こえます。

 彼らはその不調和な雑音に我慢できず、その劇場から逃げ出しました。そこに残った英知(知恵)から結婚の純潔を愛している人たちは僅かでした。

【神保慶明の解説・補足コメント】 
 今回も、結婚愛について非常に大事なことが報告されています。

 男女の愛は「セックスという肉体の結びつきではなく、心の結びつきだ」と言うのです。

 セックスという肉体的な快楽の追求ではない、心の結びつきをどこまでも求めてやまない「心の結びつきが結婚愛だからこそ、純潔だ」と説明されています。

 確かに、この世でも、男性はお金を払ってでも、女性とセックスしたがり、動物的な欲望を満たそうとしますが、そこには、女性との心の結びつきはありません。女性を道具のようにして、一時のエクスタシーを満たすだけの快楽です。官能(感覚)的なものです。

 心の結びつきは違います。セックスは二の次であり、異性の魂を心から愛します。そこには自分さえ良ければよいというエゴや支配欲はありません。相手の異性の魂を大事にして愛するからです。

 相手の異性を心から愛する結果、身も心も一つになりたいと思います。というように、セックスは二次的です。快楽を得たり、相手を支配し独占したいからセックスするのでなく、相手を心から慕うから、魂どうしで一つになりたいという気持ちに、セックスが付随的についてくるだけです。

 私たちの住むこの世では、どうしても「動物のような快楽中心のセックスが愛と捉えられがち」ですが、スウェーデンボルグは、霊界での体験を通して、私たちに「真の男女のあり方や、めざすべき理想像を明確に示してくれている」と感じます。

 私も、この世がどんなに乱れようとも、天国の妻や乙女たちの歌が不協和音として聞こえるのでなく、素晴らしく甘美なメロディーとして聞こえるような魂として、生きながらにして天国と繋がりたいものです。

 あなたはどのように感じられましたか?

 さぁ、次回は「英知(知恵)の神殿」についての体験が始まります。

 あなたご自身のイメージを膨らませながら、次回以降にもご期待下さい。

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※日本スウェーデンボルグ協会HPからの一部、抜粋・編集
・仏教学者 鈴木大拙いわく
「神学界の革命家、天界地獄の遍歴者、霊界の偉人、神秘界の大王、古今独歩の千里眼、勢力無比の学者、出俗脱塵の高士。之を一身に集めたるをスエデンボルグとなす」

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