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天国とはどんな喜びがある場所なのか⑲

結婚愛 No.17、18

 前に投稿した「天国とはどんな喜びがある場所なのか⑱」の続きです。こちらからお読みの方は、そちらからお読み下さい。

 気品のある愛想の良い人たちが語ると、10人のゲストのうち「色々な品性(名誉)や徳性(美徳)の道徳的な生活を表象するのに関係するもの、とはどんなことですか?」と質問する者がいました。

 彼らは、次のように答えました。
・徳性(美徳)は、最大限のものから最小限のものへの関係によらないなら、その素晴らしさと純粋さをイキイキと示すことはできません。

・俳優は、徳性の最小限のものが完全に無くなるまでも表象し演じます。

・しかし、法律では、不名誉なものや醜いものといったものが無いように、それらを偽装し、碗曲させた形で規定しています。

・そのように規定されている理由は、ある徳性が持っている清らかさや善がだんだんと変化して、不純や悪にならないためです。

・しかし、徳性の最小限ものが完全に消滅した後、その対極にある清らかさと善が始まります。

・したがって、すべてが清らかで善である天国には、地獄と共通するものが何一つありません。

・地獄では、万事が不純で悪だからです。


 そのような話をしている最中に、召使いが走って来て「君主の命令で8人の知者がそこまで来て中に入りたがっている」ということを伝えました。

 それを聞き、天使は外に出て彼ら知者を迎え紹介しました。

 やがて知者たちは、丁寧に挨拶をしてから、彼らと話し始めましたが、その内容は「英知(知恵)の出発点と成長」についてでした。

 その内容とは「英知はその成長過程で、様々なものが含まれていて、また天使たちの英知には終わりも消滅もなく、永遠に増え、大きくなっていく」ということでした。

 それを聞いた付き添いの天使は、彼らに次のように言いました。
・私たちの君主が、昼食のテーブルで、この人たちと話したことは「英知の座についてでしたが、それは役立ちの中にある」ということでした。

・もし、よろしければ、その役立ちについて話してくださいませんか。

それに対しては知者たちは、次のようなことを語り始めました。
・神に創造された当初、人は英知と英知への愛が染み込んでいました。それも自分のためではなく、むしろ他の人たちと自発的に英知を共有するためでした。

・知者の英知に刻み込まれていたことは、英知は自分一人では味わえないこと、他の人たちと共有しない限り、生きてはいられないことでした。

・したがって、他の人たちと生活を共にし、役立ちを行うために社会が存在することになります。

・彼らを結び合わせるのは役立ちで、それは善の役立ちの数と同じだけあります。しかも役立ちの数は無限です。


・霊的な役立ちとは「神への愛と隣人への愛」です。

・道徳的・民事的な役立ちとは「人が住んでいる社会や国家への愛」「自分が生活を共にしている同僚や市民への愛」です。

・自然的な役立ちとは「世俗的な愛」「世にある生活必需品への愛」です。

・身体的な役立ちとは「より高い役立ちのために自分を維持するための愛」です。

・人間には、このような役立ちが全て刻み込まれていて、ある役立ちの後に他の役立ちが続き、一つの役立ちの中に他の役立ちが共存したりして、順序良く連なっています。

・第一番目の霊的な役立ちを行っている人は、英知を持っている人です。

・第二番目の役立ちやそれに続く役立ちを行っている人は、英知を持っている人のように見えるだけで、公共の道徳心から行っている人です。

・第三、第四番目の役立ちの人は、サタンであり、この世だけを愛し、自分自身を愛しています。

・ただ単に第四番目の役立ちの人の場合、あくまで自分のためだけに生き、他の人を愛するにしても、ただ自分のためだけに、人を道具のように愛しています。


・このように、人の嬉しさとは「その人の持っている愛にとっての嬉しさ」です。なぜなら「愛はその嬉しさがあって、生命がある」からです。

・これはまた、役立ちを愛する嬉しさこその喜びです。天国の喜びは、それに続く喜びの中に順々に浸透し、その連続性に基づいて、他の喜びを高め、その喜びを永遠にします。


 その後、知者たちは、役立ちの愛から出る天国の甘美な喜びを数え上げ、「天国の喜びの数が何百万、何千万とあり、天国に行く人はその喜びの中に入って行くのだ」と言いました。

 その後も、知者たちは役立ちの愛についてゲストたちと夕方まで英知を込めて話し合い、一日を過ごしました。

 夕方近くになって、天使と一緒にいたゲストたちのところに白衣の使いが来て、翌日に祝われる結婚式に招待しました。

 ゲストたちは、天国での結婚式を見れると大喜びです。

 その後のことについては、また次回以降で記します!お楽しみに~。

【神保慶明の解説・補足コメント】
 今回は、天国には清らかさと善が全ての世界であり、地獄がその真逆の不純と悪しかない世界であること、そして、役立ちについて大事なことが詳しく語られています。

 役立ちとそれを行う人にもレベル感があり、純粋に心から役立ちを行う人は英知がある魂だと語られています。

 英知があるように見えても、世間体のためだったり、偽善で役立ちを行うようになるにつれ、私たちの英知は減って、サタンに近づいていく魂になると手厳しく、その実態が暴かれています。

 世間体や見栄、自分だけの栄達を目的とするのでなく、神と隣人への見返りのない役立ちこそが、私たちを無数にある天国の喜びの中に入れてくれると言うのです。

 あなたも死後、気の遠くなりそうな無数の歓喜に溢れる天国の世界に迎えられる者になりたいと思いませんか?

 さぁ、ゲストたちは、この後、天国の結婚式に招かれて、何を目撃することになるのでしょうか?

 あなたご自身のイメージを膨らませながら、次回以降にもご期待下さい。


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※日本スウェーデンボルグ協会HPからの一部、抜粋・編集
・コリン・ウィルソンいわく  
「彼はあまりにも天賦の才に恵まれた人物であり、あまりにも謙虚で、正常な適応性をもった人物なのである」

 

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