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新しく未知なる結婚愛①

結婚愛 No.55

 ある日、天国から素晴らしく甘美なメロディーが聞こえてきました。

 天国では、妻たち・乙女たちが一緒に歌っていました。その歌に伴う甘美な味わいは、ある種の愛から調和して流れてくる情愛のようでした。

 天国での歌は、音声に変えられた情愛以外の何物でもありません。

 言葉によって思考が表現されるように、歌によって情愛が表現されます。

 天使たちは、流れてくるリズムの調子を通して、情愛の内容を感じ取ります。

 私の周りには、精霊界の霊たちが大勢いました。そしてある霊によると、彼らもその素晴らしく甘美なメロディーを耳にしたそうです。

 何か可愛い情愛からくるメロディーではあるけれど、何の歌なのか分かりません。それであれこれ推測してみましたが、それは無駄でした。

 その歌は「花婿と花嫁が約束する時の情愛を表現するものだ」と言う人がいると思えば「花婿と花嫁が結婚式に入っていく時の情愛だ」と言う人もいるし「夫と妻のハネ・ムーンの愛を表現するものだ」と言う人もいます。


 その時、彼らの真ん中に、天国から天使が現れ「その歌は純潔(貞潔)な性愛を歌っているものだ」と言いました。

 周りに立っていた人たちは「純潔な性愛とは何ですか?」と尋ねました。すると天使が、次のように答えて姿を消しました。
・純潔な性愛とは、美しい形と上品 なマナーを備えた乙女や妻に対する男の愛です。純潔な性愛は全ての好色な観念から汚されていません。


 歌はずっと続いていました。その歌が表現している情愛がどんな内容か分かったので、彼らの聞き入り方に色々な違いが出てきました。

 各自は自分のもっている愛の状態に呼応した聞き方をするからです。

 女性を純潔な目で見る人たちは、その歌が「快いハーモニーを持ったもの」として聞いています。

 不純な目で女性を見る人たちは、その歌を「悲し気で調子が外れたもの」として聞きます。

 そして、女性を、うんざりした嫌悪の目で眺める人たちには、その歌が「粗雑な不協和音、かすれた声」として聞こえてきます。


 しかし、突然、彼らの立っていた平地が劇場に変貌し「この結婚愛を議論せよ」との声が聞こえてきました。 

 すると突然、精霊界から色々な霊たちがやってきましたが、その真ん中に白衣の天使たちがいて、次のように言いました。
・私たちはこの霊界で、あらゆる種類の愛について調査しています。

・男性に対する男性の愛、女性に対する女性の愛、そして夫婦間の相補的な愛だけではありません。

・男性が女性に対して、女性が男性に対して持っている愛について調べています。

・私たちはあちこちの社会を巡って、研究するチャンスが与えられていますが、今まで分かったことは「永続的な力(性的能力)を持った本当の結婚愛にいる人以外には、純潔な性愛は存在しない」ということです。しかも真の結婚愛にいるのは最高位の天国にいる天使たちだけです。


 このような結婚愛が、私たちの心にある情愛に流れてくるのを感じ取るチャンスが与えられました。

 そして、ピンと感じたことは、心が一つになった夫婦の愛以外に、その素晴らしさから言っても、この「結婚愛を凌駕する愛は他には無い」ということです。

 この結婚愛は「全ての人にとっても新しく未知の愛」ですから、この結婚愛をどなたも探求してみられるよう願っています。

 この結婚愛は愛らしさそのものであるゆえ、天国で天使たちは、これを「天上の甘美」と呼んでいます。

 そこで、議論が始まりました。最初、結婚について、純潔という考えを持てない人が口を切りました。

 この続きについては、また次回以降で記します!お楽しみに~。

【神保慶明の解説・補足コメント】 
 今回は、妻たち・乙女たちが歌う様子から始まり、いい感じですよね~。私も一度は、純潔(貞潔)な性愛を歌う甘美なメロディーを聴いてみたいと思います。

 純潔な性愛とは、ふしだらな情欲に侵されていないので、きっと墨汁などで染まっていない、清流のように輝き透き通った異性への愛なのでしょう。

 面白いのは、聴く者によって、妻たち・乙女たちの歌が、様々な聞こえ方をする点です。

 同じ息を吹き込んでも、フルート、クラリネット、サックス、トランペット、ホルンなどのように、私たちの受け取る生命の形や器に応じて、鳴る音が違うようなものなのでしょう。

 真の結婚愛は、天国でも最高位の天使しか受け入れられないもので、結婚愛を凌駕する愛は他にはない、と報告されています。

 結婚愛とはそれほどの喜びを与えてくれる最高位の愛だからこそ、また、私たちは「命がけで異性に恋をしたり、全ての地位や財産、時には命さえ投げ打ってでも、愛する異性をゲットしたい」と思うケースが人類の歴史を通じて多数見られることから、結婚愛が最高位の愛というのは納得しやすいと思います。

 さぁ、次回から「全ての人にとって新しく未知なる結婚愛」についての議論がいよいよ始まります。

 あなたご自身のイメージを膨らませながら、次回以降にもご期待下さい。

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※日本スウェーデンボルグ協会HPからの一部、抜粋・編集
・内村鑑三いわく
「スウェーデンボルグの心は私の構想力を越えた心であった。あの著しい人の私の思想に及ぼした影響は常に健全であった」

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