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英知(知恵)の神殿①

結婚愛 No.56

 私スウェーデンボルグはある日、霊界で天使たちと話していると、前に一度見たことのある「英知(知恵)の神殿」を見たいという楽しい願いにかられ、そこへ行く道を天使たちに尋ねました。

 彼らは「光をたどっていけば見つかります」と言いました。私は「光をたどるって、どうするのですか」と尋ねると、次のように言いました。
・神殿には、近づけば近づくほど、私たちの回りの光が明るくなります。

・ですから、光の明るさが増してくるように、光を追っていけばいいのです。

・私たちの光は、太陽としての主(イエス・キリスト)から発していますが、光そのものとして見た場合、光は英知です。


 それから私は二人の天使に連れられて、光の明るさが増していくように歩き始めました。

 上り坂の小道を通って、ある丘の頂上まで来ました。そこは南方位にあって、そこに壮大な門があります。

 門には守衛がいましたが、私と一緒に天使がいるのを見て、門をあけてくれました。

 すると驚いたことに、棕櫚と月桂樹から作られたポーチ(並木道)があって、それに沿って進むと、ポーチは孤を描いていて、それが庭園まで続いており、その庭園の中央に「英知の神殿」がありました。

 そのあたりを見回していると、神殿に似た小さな建物があり、そこに知者(賢明な者)たちがいました。

 私たちはその一つの建物に近づき、建物の入口でそこの主人と話し、ここへ来た理由とどのようにして来たかを伝えると、その主人は「よくいらっしゃいました。中に入ってお座りください。英知の会話を交わしましょう」と言いました。

 建物の中を見ると、二つに仕切られていながら、それでいて一つになっています。

 透き通った壁で二つに分かれていますが、壁が透明なため一つに見えるのです。その壁は極めて純度の高い水晶から出来ている様子です。

 何故そうなっているか尋ねると「私は独りでいるのでなく、妻と一緒で、私たちは二人です。それでも二人ではなく一つの身体なのです」と言いました。

 それで、私は「あなたが知者であるのは分かりますが、知者たるもの、すなわち英知が、女性とどんな関係があるのですか?」と聞きました。

 その質問に対して、この主人は、ちょっと憤慨した様子で顔つきを変え、手を伸ばしました。

 そうすると、近くの建物から他の知者たちがやってくるではありませんか。主人は彼らに冗談めいて、次のように言いました。
・ここにいらっしゃったお客様は『知者たる者、すなわち英知が、女性と何の関係があるのか?』とお尋ねです。

 それを聞いて皆が笑いながら「知者たる者、また英知は、女性すなわち愛と関係がなかったらどうでしょうね。妻は、知者のもっている英知への愛です」と言いました。

 その後、主人が次のように言いました。
・それでは今、何か英知の話をして、お付き合いをしましょうか。

・「原因・根拠」についての話はいかがですか?まずは「女性の美の根拠」についてです。

 それから知者たちは順序よく話しを始めました。

 この続きについては、また次回以降で記します!お楽しみに~。

【神保慶明の解説・補足コメント】
 いよいよ、英知(知恵)の神殿でのスウェーデンボルグの体験がスタートしました。

 英知の神殿は光を追っていれば、たどり着くそうですが、その光の発信源は「主イエス・キリスト」だそうです。

 この話は現代人には信じられない話ですが、それは一般的に、イエス・キリストはただの人間であり、尊敬はできるけれど、ただの先覚者だと今のスピリチュアル世界でも教えられているからです。

 しかし、ここに落とし穴があります。

 私もスウェーデンボルグの受けた啓示を知るまでは、イエス・キリストはただの人間だと疑わずに信じていました。釈尊と同じく、先覚者・先達であり、悟りを開いた大指導者の一人と捉えていたのです。

 実際には、イエス・キリストは、霊界を生きながら30年以上、天国と地獄を神に守られて行き来してきたスウェーデンボルグが知るには、時空を超えた理解から、驚くことに「天地を創造した神そのもの」だということです。

 そして、この「イエス・キリストが天国の唯一無二の神、天地の創造神そのものである」ということは、天国に住む天使たちの誰もが議論の余地もないほど、当たり前すぎるほどの常識であり、太陽が一つしかないように真実である、ということがわかりました。

 英知の神殿で、英知について知者と話し合うことになったスウェーデンボルグですが、神殿内が「透き通った壁で二つに仕切られているが、壁が透明なため一つに見える」のをスウェーデンボルグは不思議に思い、知者に尋ねると、知者は「私は独りでなく、女性(妻)と一つです」と、訳の分からないことを言い出します。

 知者からは「知者、すなわちその英知は、女性(妻)との愛は不可欠」という説明があり、ここにも結婚愛のことが色濃く出てきた感じがします。

 さぁ、知者たちは「女性の美の根拠」について、スウェーデンボルグに対して、一体どんなことを語ったのでしょうか?

 あなたご自身のイメージを膨らませながら、次回以降にもご期待下さい。


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※静思社刊「霊界日記」表紙からの一部、抜粋・編集
・英国思想界の巨星、トマス・カーライルいわく  
「スウェーデンボルグ、その著作には他のどの著作よりも多くの真理が明らかにされている」

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