青銅時代に生きた人々の結婚愛①
結婚愛 No.77
私たちが白銀時代の人たちと話した証に「白く輝くぶどう」を持ち帰った翌日、案内役であり、仲間である天使がまたやって来て、次のように言いました。
・身仕度してください。西方の天国へ行きましょう。
・彼らは第三の時代、つまり青銅時代に住んでいた人たちです。
・彼らの住居は南から西を越えて北の方にまで広がっていますが、北方にはいません。
身仕度を済ませ、私は天使について行きました。
南の側面から彼らの天国に入って行きました。そこには棕櫚や月桂樹の広大な森がありました。
その森を突き抜けていくと、西の境のところで、普通の人より二倍も身長がある巨人たちに出会いました。
巨人たちは私たちに「誰があの森を通過してもいいと言ったのですか?」と言ってきたので、天使は「神です」と言うと、彼らは「私たちは西方の古代天国を守る守衛です。でも、あなた方はお入りなさい」と言いました。
それから、私たちは、そこを通過し見張台から眺めると、高い山が雲にまで達し、この見張台とその高い山との間に、村があちらこちらにあり、庭園、森、草原に囲まれているのが見えます。
私たちはその村を通って山に登って行きました。その頂上に着くと、そこは驚いたことに平地になっていて、広々とした町がずっと延びています。
家は皆、樹脂を出す木で出来ていて、その屋根は木の板で出来ています。
私は「家が木造なのは何故ですか?」と聞くと、天使は、次のように答えました。
・木は物質的な善を意味します。
・地上での青銅時代では、人々はこの物質的な善の中にいました。
・そしてまた銅は物質的な善を意味しているため、彼らの生きていた時代は、古代人によって青銅期とも呼ばれました。
・ここにはまた樹脂をもつ木で造られた聖堂がいくつかあって、その真ん中に聖所があり、その中に御言葉の入った箱が置いてあります。
・この御言葉は、イスラエル人に与えられた御言葉以前に、アジア民族に与えられた御言葉です。
・イスラエルの御言葉にある歴史書では『エホバの戦い』と呼び、また預言書では『宣言の書』と呼んでおり、両方ともモーセが名づけたものです。
・この御言葉は、現在アジアの国々で消失していますが、大タタール地方にだけは保存されています。
それから天使は、私を一つの聖堂に連れて行きました。私たちは内側を見回しましたが、その中央に聖所があり、そこは全体が非常に明るい光で輝いていました。
天使は「光は、あの古代アジアの御言葉から発しています。天国では神の真理はみな光を発しています」と言いました。
聖堂から出ると「この町に二人のよそ者が来ているが、どこから来たのか、何の用事で来たのかを調べなくてはならない」という通告が町に出されていると聞きました。
集会所から従者がやって来て、私たちに裁判所に来るよう命じました。
どこから来たか、何の用事でここにいるのかの問いに対し、私たちは、次のように答えました。
・棕櫚の森を通過し、あなた方の天国を守っている巨人たちの宿舎を通り、村の領域を通り過ぎました。
・そのことから、あなた方は私たちがここへ来られたのは自分の力ではなく、神のお力であることがお分かりになると思います。
・ここへ来た目的は、あなた方の結婚について教わるためです。一夫一婦なのか、一夫多妻ではないのかと言うことです。
それでこの裁判所では、一人の分かっている人に、この件について自宅で私たちを教えるよう命じました。
その人は自宅で妻を傍に置き、次のように言いました。
・初期つまり最古代の人たちは、本当の結婚愛のうちにありました。
・だから、地上でも、結婚愛の特性と力を他の時代よりずっと持っていました。
・現在は東方にある天国がそうであり、最高に至福の状態にあります。
・私たちは、彼らから伝えられた結婚についての教えを守ってきています。
・私たちは彼らの子孫ですが、彼らは私たちの祖父として、その子供である私たちに生活の基本的な信条を授けてくれました。
・その中に結婚についての教えがありますが、それは次のとおりです。
→子たちよ、もし神を愛し、隣人を愛していきたいなら、またもし英知(知恵)を味わい永遠に幸福でありたいなら、一夫一婦で生きるようあなた方に勧める。
→この掟から離れると、あらゆる天国の愛はあなた方から去り、それとともに内的な英知もなくなって、あなた方は滅びるであろう。
・私たちは子供として、この父祖たちの掟を守り、その真理を感じ取っています。
・つまり、人は一人の配偶者だけを愛するほど、天的・内的になり、一人の配偶者を愛さないなら、それだけ地獄的・外的になるということです。
・地獄的・外的になると、人は「自分」と「自分の心が描く想像物」しか愛さなくなります。このような人は邪悪で愚か者です。
・この天国にいる全員が一夫一婦なのは、そのためです。
・そういうわけで私たちは、この天国では隅々に至るまで「一夫多妻・姦淫[※1]・好色(淫行[※2])」から守られています。
※1:男女が道義に背いた、配偶者や恋人以外の異性と肉体的な交渉を持つこと
※2:18歳未満の者を相手とする不健全な性交、性交類似行為に及ぶこと
・一夫多妻の人たちが入ると、北方の暗闇に放逐されてしまいます。
・姦淫をする者らは西方の炉に投げ込まれ、好色家(淫行者)は南方にある浅はかな光の中に投げ入れられます。
これを聞いて私は「北方の暗闇や、西方の炉、南方の浅はかな光とは何ですか?」と尋ねました。
この続きはまた次回で記します!お楽しみに~。
【神保慶明の解説・補足コメント】
今回は、初めて巨人が登場しました。
霊界にいるのは、全員がかつて地上で生きてた人たちですから、地上に巨人がいたことがわかり、非常に興味深くて面白いです。
巨人の守衛さんは、天使から「神から許可を得ています」と聞くと、すんなりと通してくれたのがなんだか笑えます。
地上と違い、霊界ではウソはつけないし、やっぱり神様の許可は絶大ですね~。
また、天使とは言えども、天国では、よそ者は怪しまれるようで、これも私たちの地上とあまり変わりない。しかも裁判所にまで連れて行かれるなんて~と笑えてしまいました。
話の中に出てくる、初期つまり最古代の人は「本当の結婚愛の中にいて、最高に至福の状態にある」というのは、なんとも羨ましいと思いました。
彼らの言う結婚愛の教えとは、一人の配偶者だけを愛するほど、天的・内的になり、一人の配偶者を愛さないなら、それだけ地獄的・外的になり、邪悪で愚か者になる、ということです。
私たちのいる地上だと、結婚後に色々な理由で愛情が冷めたり、他にもっと好きな異性が出来てしまったり、配偶者から愛されなくなったりと、一人の配偶者を愛し続ける難しさがありますね。
天使全員が一夫一婦だからこそ、英知を味わえるし、永遠なる幸福を享受できる、というのも、さすが天国だと思いました。
さて、あなたはどのように感じたでしょうか?
次回も「青銅時代に生きた人々の結婚愛」の続きが始まります。
あなたご自身のイメージを膨らませながら、次回以降にもご期待下さい。
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※スヴェーデンボリ出版物からの一部、抜粋・編集
・アメリカの作家ヘンリー・ジェームズいわく
「私には、スウェーデンボルグによる、こうした誠実な本は、以前には決して書かれたことがないように思える」
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