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詩「沢山のすべての輝きへ」



教室の隅に忘れた
帰り道に遊んで落とした
机の引き出しに置き去りにした
夢中になっている内に見失った
沢山のすべての輝きへ

永遠に消える事はない
誰かに見つかる事はなくても
喪失した
その場所で
真の光を放ち続ける

私達は
知らない間に
その情熱の欠片を浴びて
腹の底から力を出す
まだ
何かをやれるかもしれない
動き出せるかもしれない
始められるかもしれない

魂の連鎖反応
汗にも似た涙
まだ
修飾されていない生の言葉
じつに身勝手な再生
空回りしながらも
走り出す
わずかに残った
二、三粒の砂の力で
遅くなった運命は
ギシギシと音を立てて
廻り出した
歯車は
多少
噛み合ってはいなくとも
足が
絡まって
転けそうになっても
強く呼吸して
無理矢理にでも
続けていくもの

嗚呼
それは
誰か
私の知らない人の
情熱から生まれた
沢山のすべての輝きへ

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