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親孝行と小林誠司 

初めて文春野球のフレッシュオールスターに応募して、ヤングフレッシュU-24ベストナインに選ばれた記事をここで公開したいと思います。






小さい頃から、お父さんの影響で野球を見るようになって、高校野球、そしてジャイアンツファンの私は、現在22歳の社会人である。

中学生の頃の私は不登校も経験して、反抗期で、お父さんが大嫌いだった。自分の気持ちを分かってくれない、的外れな意見を口出ししてくる、隣を歩きたくない、隣の席でご飯を食べたくない...など。思春期の女の子に良くあるお父さんイヤイヤ期でもあったかもしれない。
高校生になってからは、私も少しだけ大人になってお父さんと2人で映画を見に行く程になった。

今まで、野球を見に行く時は家族に連れて行ってもらっていた。知ってる選手は、坂本、ラミちゃん、松本、内海、小笠原、長野...。とかだった気がする。ちなみに、1番記憶にある現地での試合は、当時住んでいた地元の球場での東野峻投手(現在は引退している)のプロ初完封。

高校生の時にWBC2017の活躍をきっかけに小林誠司選手を好きになった。ジャイアンツはずっと好きだったけど、初めて特定の応援する選手が出来た。お父さんもWBCをきっかけに小林を応援するようになり、試合がある日はほとんど小林は今日打ったかな、と気にする程度になったのと、いつの間にか小林のストラップを所持していた。
その後、自分から野球を見に行くようになった。社会人になって、自分の働いたお金で野球を見に行く。友人と。


毎年、京セラドーム大阪では巨人の主催試合が行われている。関西住みの巨人ファンにとってはありがたく、楽しみにしている方も多いのではないか。

もちろん私も楽しみにしていて、東京ドームになかなか足を運べない中、京セラドームの主催試合はニ度、友人達と見に行ったことはある。だが、お父さんとは行ったことが無い。

「お父さん、9月1日私がチケット代も交通費も出すから一緒に巨人戦見に行こう」と誘った。


2021年9月1日の京セラドームで行われる試合。チケット発売日にすぐに1塁側フロント指定A席を2枚取った。
お父さんも平日休みを取ってくれた。


当日。

大阪に来たら私とお父さんの必ず食べるものが、とあるラーメン屋さんだ。独特なスープの味わいが他には無い唯一無二のラーメン。ここでジャイアンツが勝つようにゲン担ぎ。

大阪駅から環状線で小林ファン親子が大正駅に向かう。
大阪駅までは、私の応援している小林の背番号が入ったトートバッグを裏にむけて無地のトートバッグとして使っていたが大正駅に着いたら、表に向けて堂々と歩いた。オレンジ色のジャイアンツファンがたくさん歩いていて、それだけでワクワクドキドキが止まらない。

京セラドーム前の特設テントの会場で今回の主催試合に合わせて、大阪限定のジャイアンツのグッズが発売されてた。私が入場する為に並んでいた時、スタッフのお兄さんが「小林誠司選手大阪限定タオル完売です」と言っていて絶望はした。


とりあえず、他のグッズを買い、コロナウイルスの為に先に検温を済ませて検温済の紙を貰って、いざドームの中へ。
チケットをもぎ取ってもらい、トイレを済ませてから、指定されたゲートへ向かう。やっぱり、あのゲートをくぐった時が1番興奮を覚えるのは何故だろうか。先着で早く取ったチケットという事で、前の方の席でとても見やすい席だった。

「うわ〜最高!」

と、隣でお父さんがドーム内の写真を撮っていた。それだけで、あ〜、一緒に来て良かったなと嬉しい気持ちになった。

ジュースを買って、相手チームのヤクルトの練習風景を見る。快音響くバットの音が気持ち良い。

そうこうしている間に、バッテリー発表が行われた。
先発は、予告されていた通り菅野投手。
小林は、ここ最近スタメン機会が少なかった。スガコバとして人気の菅野が先発の試合でも、大城卓三選手がスタメンの試合が多かった。
だから、正直あまり小林のスタメンには期待をしていなかった。だけどお父さんは「見ててみ、小林だよ」とずっと言っていた。

ヤクルトのバッテリーから発表されて、ジャイアンツのバッテリー紹介。

「ピッチャー 菅野 キャッチャー 小林」

コロナだから声出し出来ないけど、ごめんなさい、心の声が漏れてしまいました。お父さんも私も。周りもどよめいた歓声が多くてとても嬉しかった。そして、何より生で初めてスガコババッテリーの試合を見れる。そして、お父さんと見れることも嬉しかった。

試合が始まった。それと同時に私は小林のピンクのユニホームを着た。
菅野はとても良い立ち上がりで、ヤクルト打線を封じ込めていた。
ヤクルトの先発ピッチャー高橋奎二投手も、素晴らしいピッチングで、これは投手戦になるかなと予想した。

そんな中、3回裏の巨人の攻撃。
1アウトランナー無しで小林。
私は緊張していた。お父さんは信じて見ていた。「頑張れ、小林...」タオルを持って応援した。


1球目、初球を捕らえた。レフト方向に打球が伸びっていった。レフトオーバーの2ベースヒットだった。お父さんと顔を見合わせて喜んだ。
周りの歓声と初めて生で見れた小林のヒットにちょっと私は泣いた。そして鳥肌も止まらなかった。
その後、丸選手がホームランを打ち、小林もホームに帰って来た。

菅野は、8回までヒット1本。
抹消されてからの2試合目で、完全に復活したと感じた投球内容。

9回の投手はビエイラ投手。
投球練習から豪速球すぎて、どよめきが凄かった。164キロ、生で見ても速すぎる。
最後は163キロの空振り三振で、見事2-0で巨人は勝利した。

完璧な試合だったと思う。

ヒーローインタビューは丸と菅野。
菅野は、「誠司が上手く引っぱってくれたので、より楽に投げれた」と言った。嬉しすぎる。


小林ユニホームを着たまま京セラドームをお父さんと出た。なんとなく、小林ユニホームで堂々と歩けてる自分が居る。「小林やばかった最高」「本当だな、菅野も良かったし」と感想が止まらない。興奮も止まらない。

大阪駅から最寄り駅までの電車待ち、お父さんが「連れてってくれてありがとう」と言ってくれた。こらちこそ、一緒に来てくれて嬉しかった。

試合に勝ったのはもちろんだが、菅野小林のバッテリーを見れたこと、小林のヒットが見れたこと、小林が最後までリードする試合が見れたこと...。あれ?小林さんばっかりになってる。ありがとう、ジャイアンツ、小林誠司選手。私たち親子に、素晴らしい宝物になる日をくれた気がする。

今シーズンも小林誠司選手の活躍をお父さんと見ている。仕事から帰ってきたお父さんは毎日のように「小林今日スタメンだった?打った?」と聞いてくる。それがコミュニケーションの1つとして成り立っている。毎日、「打ったよ」って報告が出来たら嬉しい。

今魅せろ強肩を 扇の要 夢バットに託し 戦え小林

応援歌が鳴り響くその日まで。


#文春野球フレッシュオールスター2022

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