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【紅麹問題どうなる!?】小林製薬 -業績まとめ- (2024年7月2日)

今日は小林製薬(4967)ついて記事を書いていきたいと思います。投資の銘柄として特に人気というわけではなかったですが、最近の紅麹問題によってかなり話題にはのぼるようになってきましたね。

一連の問題についてどうなっていくのがを見守っていきたいところなので、今日はこれまでの業績についてまとめていきたいと思います。

まずは業績に入る前に簡単に時系列を整理させてください。紅麹問題と業績発表の時系列は以下です。

1/15 : 小林製薬が健康被害の報告を受ける
2/9 : 2023年12月期通期の決算短信を発表
3/22 : 記者会見にて製品の自主回収を発表
5/10 : 2024年12月期1Qの決算短信を発表

これより、24年1Q決算も3月までの業績をまとめているので、本題が発覚してからの期間は少ししか入っていません。なので、例の紅麹問題の影響が本格的に業績に現れてくるのは今後2Qからの話になります。
ここでは、今後の業績を見ていくためにここまでの業績をまとめています。

1.売上高・収益性

1-1.売上高

まずは売上高から見ておきたいと思います。以下に過去の売上高の推移をグラフでしめしています。

小林製薬(4967)の売上高推移

グラフから2021年は前年から若干の減収となっていますが、それ以降は順調に伸びてきています。

また、オレンジ色の折れ線グラフで示している利益率についても、ほぼ安定して10%以上を示しており、問題ありません。

以下の図は各期の四半期決算での売上高の推移を示したグラフです。これをみると今年2024年12月期も1Q時点では前年と同程度の売上高で推移していますので、去年と同等かそれ以上の成績が期待できそうです。

小林製薬(4967)の四半期売上高推移

1-2.純利益

続いて純利益ですが、売上高が伸びていて利益率も安定していることから純利益の額も伸びてきています。

以下の図に過去からの純利益の額の推移を示しています。

小林製薬(4967)の純利益推移

グラフに示す通りで、毎年安定した利益を稼ぎながら緩やかに上昇トレンドを描いています。このグラフからは非常に利益の安定した、安心して保有できる銘柄という印象を受けます。

以下は各期の四半期での純利益をグラフで示したものです。

小林製薬(4967)の四半期推移

グラフから今期は1Q時点で純利益の額が10億円と、例年に比べてかなり低い値となっています。今後、4Qまでの間にどこまで利益を積み上げていけるかに注目ですね。

1-3. 自己資本比率

次は財務的な安定性を表す自己資本比率を確認して見ましょう。以下の図に自己資本の額と自己資本比率の推移示しています。

小林製薬(4967)の自己資本比率推移

緑色の棒グラフが自己資本の額を示しており、オレンジ色の折れ線グラフは自己資本比率を表しています。自己資本比率をみると、少なくともこの5年間は継続して70%台で推移させています。
70%もあれば財務的にはかなり安定性のある会社だと言えますね。

1-4.営業CFマージン

続いては営業キャッシュフローマージンを確認してみます。営業キャッシュフローマージンは本業で現金を稼ぎだす能力を見る指標で、営業キャッシュフローの値を売上高で割って三重したものになります。

小林製薬(4967)の営業CFマージン推移

グラフをみると継続して10%以上の値を維持していることが分かります。このデータからもしっかりと稼ぐ力を持っているということができます。

1-5.ROE(純資産収益率)

純資産を多く持って安定した財務基盤で経営していふことが分かりましたが、その純資産を効率的に利益に変換できているかをみるためにROEをみてみようと思います。

以下の図が2020年からのROEの推移をしめしています。

小林製薬(4967)のROE推移

グラフから、ROEについても安定していることが分かります。ずっと10%以上の値で推移しているので、特別に高収益というわけではないですが、全く問題はないことが分かります。

2.株主還元

2-1.配当金・配当性向

株式還元を図る項目としてまずは1株あたりの配当金と配当性向を確認しておきます。以下の図はされぞれの数値の推移示しています。

小林製薬(4967)の配当金推移

グラフから1株あたりの配当金を着実に増やしてきていることが分かります。

一方で、灰色の折れ線グラフで示した配当性向を見てみると2019年には29.9%だった配当性向が2023年には37.7%まで上昇しています。純利益は大きく上昇していない一方で配当金の額を増配しているので、配当性向が上昇する形になっていますね。37.7%というのは特に高い数値ではないですが、今後も上昇し続けることがないかは確認要ですね。

2-2.配当利回り

毎年増配していることが分かりましたが、では投資時点での配当利回りはどうなっているかを見て見たいと思います。以下の図に各年の1株あたりの配当金を期末時点の株価で割って算出した配当利回りの推移を示しています。

小林製薬(4967)の配当利回り推移

グラフより2020年から一貫して配当利回りが上昇していることが分かります。まだまだ高配当と言われる水準ではないですが、増配を続けていることが利回りの増加にも寄与していますね。とは言っても配当金は倍増させているというほどには増配していないので、株価の下落も影響しての結果ですね。株価については後ほど記載しています。

2-3.自己株取得

配当金の次は、もう一つの株主還元施策である自己株の取得実績ついて見て見たいと思います。課税されない分、現金配当よりも資本効率のいい還元と言われていますね。
以下の図に各年の自己株取得実績を期末時点の時価総額で割った値の推移を示しています。

小林製薬(4967)の自己株取得推移

グラフから2019, 2020, 2021年にはほとんど自社株の取得は実施していなかったことが分かります。その後2022年には時価総額の2.6%, 2023年には3.4%の自社株取得をしており、配当利回りと合わせると、株主還元にもそこそこ力を入れていることが分かります。

3.株式市場からの評価

3-1.株価

まずは最も基本的な数値でもある株価を見みます。以下の図にここ5年間の株価の推移を示しています。

小林製薬(4967)の株価推移

グラフより、2021年にピークを迎えて、その後は下降トレンドを描いています。売上高、純利益共に安定してはいるものの、さらなる成長を見せられていないので、市場からの評価が下がってきているとも解釈できます。

3-2.PER(株価収益率)

株価そのものを見たので、次は純利益に対する株式市場からの評価であるPERを確認して見ます。以下の図にPERの推移を示しています。

小林製薬(4967)のPER推移

純利益の額はここ5年間は大きく変化ないので、株価の変動がそのままPERの推移として現れていますね。株価の下落と共にPERも低下してきていますが、それでも直近の2023年12月期決算でも25.3倍と純利益に対してはかなひ割高に評価されています。

3-3.PBR(株価純資産倍率)

次にPERと同様に株価の割安度合いを判断する指標であるPBRを見てみましょう。PBRは1株あたりの純資産に対して株株価が何倍になっているかわ表す数値です。以下にPBRの推移を示しています。

小林製薬(4967)のPBR推移

グラフから、PBRも先ほど見たPERと同様に株価の下落と共に下がってきていますが、やはりまだ直近の値でも2.5倍と比較的高い値となっています。

PER的にもPBR的にもまだまだ割高な水準となっており、今後の株価動向にも注目していきたいと思います。

4.まとめ

ここまで小林製薬(4967)の業績について見てきましたが、いかがだったでしょうか。売上高や利益は安定しているものの、株価が下落してきていること、またそれによってPERやPBRも低下してきているが水準としてはまだ割高だということが分かったのではないでしょうか。

それでは小林製薬(4967)の業績まとめはここで終わりにしたいと思います。最後までご覧いただきありがとうございました。

その他の記事もどうぞよろしくお願いいたします。

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