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【急激な株価上昇!?】三菱重工 -業績まとめ- (2024年6月22日)

今日は三菱重工(7011)ついて記事を書いていきたいと思います。投資の銘柄としてはあまり聞くことのなかった名前ではありましたが、最近の株価の大きな上昇でSNSなどで少しずつ見かけるようになってきました。

そんな三菱重工の業績についてまとめてます。


1.売上高・収益性

1-1.売上高

まずは売上高から見ておきたいと思います。以下に過去の売上高の推移をグラフでしめしています。

三菱重工(7011)の売上高推移

グラフから2021年は前年から減収となっていますが、それ以降は順調に伸びてきています。直近の2024年3月期の通期決算では約4.66兆円と過去最高の売上高を達成しています。

また、オレンジ色の折れ線グラフで示している利益率についても、改善してきていることが分かります。

1-2.純利益

続いて純利益ですが、売上高が伸びていて利益率も改善していることからも分かるように純利益の額も伸びてきています。

以下の図に過去からの純利益の額の推移を示しています。

三菱重工(7011)の純利益推移

グラフから、2021年には406億円だった純利益が2024年には5倍以上の約2,220億円となっています。これば三菱重工の史上最高利益です。
増収増益を続けて売上高に加えて純利益も過去最高と業績的に絶好調ですね。

そんな三菱重工はその事業分野を4つのセグメントに分けて報告しています。その4つのセグメントというのが以下です。

(1)エナジー
(2)プラント・インフラ
(3)物流・冷熱・ドライブ
(4)航空・防衛・宇宙

これらのセグメントがそれぞれどの程度利益に貢献しているかを示すために、それぞれのセグメントの利益が全体の営業利益に占める割合を示した図を以下に示します。

三菱重工(7011)のセグメント別利益

図より稼ぎ頭はエナジー事業となっています。火力発電や原子力発電による発電事業が収益の柱となっているのですね。それでも全体の半分の以下となっており、適度に収益源が分散されていることも分かります。

1-3・自己資本比率

次は財務的な安定性を表す自己資本比率を確認して見ましょう。以下の図に自己資本の額と自己資本比率の推移を指名しています。

三菱重工(7011)の自己資本比率推移

緑色の棒グラフが自己資本の額を示しており、2020年から2024年までの間に2倍近くまで増加していることが分かります。過去最高の利益に至るまで毎年の純利益を増加させてきたことにより、急速に自己資本を積み上げていることが分かります。

オレンジ色の折れ線グラフは自己資本比率を表していますが、毎年前年比で改善させています。直近の2024年でもまだ35.9%とまだ高い値ではないので、今後も上昇させていってくれることを期待しますね。

1-5.ROE(純資産収益率)

純資産を着実に積み上げていることが確認できたので、次はその純資産を使ってどのくらい効率的に利益を生み出しているかを示す指標であるROEを見ることにします。

以下の図が2020年からのROEの推移をしめしています。

三菱重工(7011)のROE推移

グラフから、ROEについても2021年は2020年かは悪化していることが分かります。しかし、そこからは上昇を続けて2024年には9.9%と特に高収益というわけではないですが、かと言って問題ない水準まで回復しています。

2.株主還元

2-1.配当金・配当性向

株式還元を図る項目としてまずは1株あたりの配当金と配当性向を確認しておきます。以下の図はされぞれの数値の推移示しています。

三菱重工(7011)の配当金推移

グラフから1株あたりの配当金を着実に増やしてきていることが分かります。2021年には75
円だった配当金が2024年には200円と3.75倍まで増配しています。

一方で、灰色の折れ線グラフで示した配当性向を見てみるとここ3年間は30%台で安定しています。純利益を急スピードで成長させたので、大幅に増配してもまだ配当性向に余裕がある状態を保てていますね。

2-2.配当利回り

ここ数年は毎年増配していることが分かりましたが、では投資時点での配当利回りはどうなっているかを見て見たいと思います。以下の図に各年の1株あたりの配当金を期末時点の株価で割って算出した配当利回りの推移を示しています。

三菱重工(7011)の配当利回り推移

グラフより2021年から2023年までの3年間は2%台で推移していたのに、2024年には1.4%まで低下していることが分かります。配当金を大幅に増配しているのに、増配スピードを上回る勢いで株価が上昇しているので、結果として配当利回りは下がってしまうという結果になっていますね。
株価自体については次の章で記載したいと思います。

2-3.自己株取得

配当金の次は、もう一つの株主還元施策である自己株の取得実績ついて見て見たいと思います。課税されない分、現金配当よりも資本効率のいい還元と言われていますね。
以下の図に各年の自己株取得実績を期末時点の時価総額で割った値の推移を示しています。

三菱重工(7011)の自己株取得推移

グラフから2022年に少しだけ自己株を取得したことがあるものの、基本的には実施していないことが分かります。株主還元は現金配当によって実施する方針であることがよく分かりますね。

3.株式市場からの評価

3-1.株価

まずは最も基本的な数値でもある株価を見みます。以下の図にここ5年間の株価の推移を示しています。

三菱重工(7011)の株価推移

グラフより長期的に上昇トレンドを描いていますが、特にここ1年から程度での伸び率がすごいですね。2023年半ばには500円程度だった株価が2024年には3倍となる1,500円を突破しています。
あまりいないかもしれませんが新NISAから投資された方は大成功ですね。

3-2.PER(株価収益率)

株価そのものを見たので、次は純利益に対する株式市場からの評価であるPERを確認して見ます。以下の図にPERの推移を示しています。

三菱重工(7011)のPER推移

グラフからここ5年間だけでもPERの値が10倍程度から30倍程度まで大きく変動していることが分かります。稼ぎ出す利益と株価にあまり連動性なないように見えますね。とはいえ1桁まで低下することはないようなので、10倍に近づいてきたら割安と判断してもいいかもしれません。

3-3.PBR(株価純資産倍率)

次にPERと同様に株価の割安度合いを判断する指標であるPBRを見てみましょう。PBRは1株あたりの純資産に対して株株価が何倍になっているかわ表す数値です。以下にPBRの推移を示しています。

三菱重工(7011)のPBR推移

グラフから2020年から2023年にかけては緩やかに上昇していることが分かります。これは、純資産を積み上げるスピードより株価が上昇するスピードの方が少しだけ早かったということですね。そして、2024年には急激な株価上昇によって2023年には1倍以下だったPBRが一気に2.2倍まで上昇しています。

PER的にもPBR的にも決して割安と言える水準ではなくなっていますね。

4.まとめ

ここまで三菱重工(7011)の業績について見てきましたが、いかがだったでしょうか。増収増益を続けてきており、株主還元も強化してきてはいるもののここ最近の株価の大幅かつ急な上昇によって各指標が割高になってきていることが分かったかと思います。今から投資される際はリスク許容度をシッカリと把握されていた方がいいかと思います。

それでは三菱重工(7011)の業績まとめはここで終わりにしたいと思います。最後までご覧いただきありがとうございました。

その他の記事もどうぞよろしくお願いいたします。

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