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【スマホ市場の巨人!!】ソフトバンク -業績まとめ- (2024年6月20日)

今日はソフトバンク(9434)について業績を見ていきたいと思います。これまでの記事で日本電信電話(9432)とKDDI(9433)の業績まとめをやったので、通信大手3社の最後として見ていきたいと思います。

NTTのまとめ記事とKDDIのまとめ記事もよろしくお願いします。

1.売上高・収益性

まずは基本的には業績情報として売上高と収益性についていくつかの項目をチェックしていきたいと思います。

1-1.売上高

最初は事業規模を把握するためにも売上高をチェックしておきましょう。以下の図に2020年以降の5年間の売上高と、売上高純利益率の推移を示しています。

ソフトバンク(9434)の売上高推移

グラフより、少なくともここ5年間は毎年利益を拡大しており、順調に増収を継続していることが分かります。2020年に4.86兆円だった売上高が2024年には6.08兆円まで増収しているので、5年間で約25%の増収を達成しているということになります。いいスピードで事業規模を拡大させていますね。

オレンジ色の折れ線グラフで純利益の売上高に対する比率を記載していますが、継続して10%を超える利益率を計上しており、非常に効率よく経営していることが分かります。

1-2.純利益

続いて、純利益の額を確認してみます。以下の図に5年間の純利益の推移を示しています。

ソフトバンク(9434)の純利益推移

グラフより、直近の2024年では前年にマイナスとなっているものの、それまでは継続して増収してきており、2024年も若干減少したとは言え、5年前の4,682億円から6,222億円まで約33%増益していることになります。

長期トレンドとしては順調に増益しているといえると思います。

ではこの利益の内訳を見ていきたいと思います。ソフトバンクはその業績をを5つのセグメントに分割して報告しています。そのセグメントとは以下です。

(1)コンシューマ事業
(2)エンタープライズ事業
(3)ディストリビューション事業
(4)メディア・EC事業
(5)ファイナンス事業
(6)その他

以下の図にはソフトバンク(9434)全体の営業利益に占める各事業セグメントの利益の割合を示しています。
※ファイナンス事業とその他についてはほぼゼロ(若干の赤字)になっていて、無視できるレベルのため図からは省略しています。


ソフトバンク(9434)のセグメント別利益

グラフより、一番大きく稼いでいるのはコンシューマ事業分野ですね。格安SIMなどにより個人向け事業環境はかなり変化してきているように感じますが、まだまだ稼ぎ頭は個人向け事業ということが分かりますね。

1-3・自己資本比率

次に自己資本比率を見ていきましょう。以下に過去5年間の自己資本と自己資本比率の推移を示しています。

ソフトバンク(9434)の自己資本比率推移

グラフから分かるように急速に自己資本を積み上げていることが分かります。一方で自己資本比率のほうは毎年値を改善してきてはいるものの、直近の2024年通期の値でも15.3%と一般的にはかなり低い値になっており、財務的な安定性でいうといまいちという感じですね。

1-4.営業キャッシュフローマージン

続いては収益性を示す指標として営業キャッシュフローマージンを確認したいと思います。営業キャッシュフローマージンは営業キャッシュフローの値を売上高で割って計算され、ビジネスが現金を生み出す能力を図る指標として使われますね。
以下の図に過去5年間の営業キャッシュフローマージンの推移を示しています。


ソフトバンク(9434)の営業CFマージン推移

グラフから、長期的には緩やかに低下するトレンドとなっていることが分かります。とはいっても2024年の値でも約20%となっており、一般的にはかなり高い値となっており、現金を稼ぐ能力は高いと評価できます。

1-5.ROE(純資産収益率)

続いても同じく収益性を測る指標であるROEを確認しておきます。自己資本の額に対して純利益が何%あるかという数値ですね。以下の図に過去のROEの推移を示しています。

ソフトバンク(9434)のROE推移

グラフを見るとこちらも年々低下しているように見えます。ただ2024年の数値でも20.6%と20%を超えており、かなり高い収益性「有しているということが分かります。
これは自己資本比率が比較的低い状態で経営しているために純資産に対する純利益が大きく見えているという側面もあるので、今後どうなっていくことかに注目しておきます。


2.株主還元

ここまで事業の業績について見てきましたが、ここからはそのビジネスの成果をどのように株主に還元しているかという株主還元について見ていきたいと思います。

2-1.配当金・配当性向

まずは配当金について見ていきたいと思います。以下の図に1株あたりの配当金と配当性向の推移をしめしています。

ソフトバンク(9434)の配当金推移

グラフからソフトバンクは毎年ほぼ一定額を配当していることが分かります。2021年にはさくねんから1円だけ増ていますが、その後はずっと86円の配当で固定しています。個人投資家にとっては配当収入が読みやすいですね。

配当性向の方に目を向けてみると、80%前後というかなり高い値で推移していますね。もともと配当性向の目標値を80%程度に設定しているので予定通りという感じで、親会社であるソフトバンクグループ(9984)に利益を還元させるため施策と考えられますね。我々一般の投資家はそのおこぼれを貰っていると考えることもできますね。

2-2.配当利回り

次は投資時点での配当利回りを確認しておきます。以下の図が各年の期末時点での配当利回りを示しています。

ソフトバンク(9434)の配当利回り推移

グラフを見ると投資時点での配当利回りは徐々に下がってきているます。先ほど見たように1株あたりの配当金は固定しているので、この配当利回りの低下は株価が上がったことが原因ですね。

以前より低下したとはいえ、それでも2024時点でも4.4%と十分な高配当となっているので、配当金を目当てに投資する際にも候補に貼るかと思います。

2-3.自己株取得

次な現金配当ならんで主な株主還元施策である自己株取得の実績を見て見たいと思います。既存株主の持株比率を高める効果ぎがあって、税金がかからない分が配当金より効率のいい株主還元と言われています。

以下の図は過去5年間の自社株買いの実績を示しています。その年に実施した自社株買いの金額が時価総額の何%に当たるかという数値できさいしています。

ソフトバンク(9434)の自己株取得推移

グラフから2022年と2023年には自社株買いは実施てしていないので、平均すると年間の1%未満ということになります。株主還元のメインは現金配当だと考えていいですね。

3.株式市場からの評価

この章では株式市場からの評価を確認できる項目についていくつか見ていきたいと思います。

3-1.株価

最初はやはり株価を見てみましょう。投資家の方で株価を見ないという方はほとんどいないと思います。

ソフトバンク(9434)の株価推移

グラフより、2023年の半ばあたりから大きく上昇してきていることが分かります。これが2024年の配当利回りを押し下げた原因でもありますね。追加投資を考えていた方にとっては少し悩ましいところですね。

3-2.PER(株価収益率)

続いては利益に対する株価での評価であるPERを確認して見ます。1株あたりの純利益に対して何倍の株価がついているかという数値です。
以下の図にPERの推移を示しています。

ソフトバンク(9434)のPER推移

グラフより2023年までは概ね13倍程度で推移してきていることが分かります。これば他の通信事業者と同程度の水準ですね。2024年には純利益は減益となった一方で株価は上昇したのでPERが大きく上昇するという結果になりました。

3-3.PBR(株価純資産倍率)

最後に純資産に対する株価での評価であるPBRをみてみます。こちらは1株あたりの純資産に対して株価が何倍になっているかという数値です。
以下の図が過去のPBRの推移を示しています。

ソフトバンク(9434)のPBR推移

グラフより2021年以降は3倍-4倍のレンジで推移してきていますね。ROEの評価と同様な、自己資本比率を低くして経営しているので純資産に対する株価が高くなっているという側面もあるので、今後の業績に注目ですね。

4.まとめ

ここまで通信事業者であるソフトバンク(9434)の業績をまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。通信事業者としてしっかりとした成績を残しながらも、同じ通信事業者であってもNTTやKDDIとは少し違う雰囲気を感じられたのではないでしょうか。

それではソフトバンクの業績まとめはここで終わりたいと思います。最後までご覧頂きありがとうございました。

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