これからの俳優活動について~クリス・コルファー
もう、つなぎとめておくことはできない
「glee」という金字塔を打ち立て、現在は作家として大活躍のクリスさんですが、今後の俳優活動についてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
2019年に、「ブックツアー(サイン会)は、大変じゃないですか?」という問いに対して、このようにおっしゃっています。
クリス:いいえ、子どもたちを見て下さい。あそこには、明るさがあるし、好奇心があります。あの子たちは、自分が読んだものについて話がしたいんですよ。
ご存知の通り、僕は執筆に専念するような感じになっていて、事実上俳優をやっていないので、随分と責められています。
でも、思うんです。僕が目にしているものを見た人なら、わかってもらえるだろうと。
僕と話したがるあの子たちは、登場人物のことをまるで実在の人物のように話すんです。それを見ていただいたら、もう僕をつなぎとめておくことはできないんだと、おわかりいただけるでしょう。
ー クリス・コルファー 2019.9.30 TV番組 NY LIVE インタビューより
https://youtu.be/4TpSuUKsHCI
▼ ブックツアーのようす。
ときには命を削るようにして執筆し、人々を励ましているクリスさん。
お顔が見られないとさみしいですが、今、目の前にいる子どもたちを幸せに、との思いでいっぱいなのでしょう。
「 引退したつもりはない」
ところが、全く同じ日の別のインタビューでは、このように話されていました。
クリス:僕は、自分が俳優を引退したとは考えておりません。
とは言っても、今すぐのプランはありませんが。
今までに見送った仕事はあり、それで執筆の方に専念できました。その後は自分が求めるような話がなくて、着手しなかったのです。
僕の初めての役(カート・ハメル役)が「glee」で全くクレイジーなことをやっていたのが、これからも人々の目に触れます。なので、本当のところ、新しい別のチャンスを見つけたいですね。
いつか、自分があの経験を再現できるのかどうかを、知りたいのです。
ー クリス・コルファー 2019.9.30 TV番組 AMtoDM インタビューより
https://twitter.com/i/status/1178863604545683456
「見送った仕事」とは、製作者の事情で打ち切られた伝記映画のことかと思います。
ノエル・カワードさんという才能あふれるゲイの方の役だっただけに、仕事がなくなったということ以上に、残念だったに違いありません。
▼ 衣装合わせもしていました。
声優をつとめたアニメ映画
さらに、その翌月のインタビューですが、ここでは、声優のお仕事について明かされています。
クリス:僕は、自分が俳優を引退したとは考えていませんが、俳優としてのプランは、立てていないんです。
最近、あるアニメ映画の声優をやって、それが、おそらく1、2年で公開されるでしょう。公式発表がないから、僕からはまだお話しできなくて。
この映画のためにオリジナル曲を5曲歌ったので、皆さんに気に入っていただけたらとても嬉しいです。
そのほかには、本当に何も俳優関係の計画はありません。
これからは、たくさん執筆して、たくさん脚本も書いて、たくさん監督をやりたいですね。
僕は、執筆したり、こういう世界にいることが本当に楽しいのです。
ー クリス・コルファー 2019.10.19 Parade.com インタビューより
I don’t consider myself retired from acting. I don’t have anything planned acting-wise.
I recently did a voice for an animated movie, which will probably come out in a year or two. I can’t say yet because it hasn’t been officially announced.
I sang five original songs for it, so hopefully, people will like that.
Other than that, I really don’t have anything acting-wise planned.
In my future is a lot of writing, a lot of screenwriting stuff, a lot of directorial stuff. I’ve really been enjoying just writing and being in that world.
ー Chris Colfer Octover 19, 2019 Parade.com
『ザ・ランド・オブ・ストーリーズ』の映画監督もされるので、いずれにしても当分は手一杯かもしれませんね。
今現在は、「A Tale Of Magic」シリーズの第3作目(2021.9発売予定)を執筆中だそうです。
▼ そのアニメ映画は、こちらの作品だと思われます。歌も、楽しみですね。
クリス:たった今、セリフと7曲のオリジナルソングを録り終えたところなんだ。すっごく可愛いアニメ映画のね。
まだ詳しいことは言えないけど、言えるときが来たら、もっと情報を投稿するね。🤫
ー クリス・コルファー 2018.12.3 ご本人のツイッターより
ゲイの俳優としてやりたいこと
最後に、昨年11月の新しいインタビューです。
「ゲイの俳優として、これから何をしたいですか?」と問われ、「良いご質問ですね。」として次のように答えられています。
クリス:僕がデビューした当時と現在とでは、状況が明らかに違っているのは確かです。
ゲイの俳優がより受け入れられるようになり、活躍の機会も増えたと思いますし、ついにはゲイの俳優に対し、ある程度の敬意が払われるようになったと思います。
10年前に僕が始めた頃は、こういったことはそれほどなかった気がします。
(つづく)
まさに、「glee」での功績ですね。
クリス:ゲイの俳優についてですが、不愉快なことに、ずっとこんな類のことを期待されてきました。すなわち、「ストレート(ゲイではない人)の役をやれると世に示すのがゴールに違いない」と。
僕は、そんなことを課題にしたことなど、一度もありません。
この世界には、素晴らしいゲイの方々が十分大勢いらっしゃると思います。
ですので、僕自身、ゲイであることがどういうものなのかを、もっとありのままに表現できるようになりたいですね。
ー クリス・コルファー 2020.11.19 OUT FRONT 誌
https://www.outfrontmagazine.com/featured/inside-the-magical-world-of-chris-colfer/
前のインタビューでも、「僕の初めての役(カート・ハメル役)が『glee』で全くクレイジーなことをやっていた」とありましたが、コメディドラマのせいか、たしかに突飛な格好をしたりしていました。
クリスさんは、私生活では紺や黒の落ち着いた服装が中心で、女性のような格好はされません。
ステレオタイプではない自然な姿でゲイのキャラクターが描かれるようになれば、世間の見る目も変わってくるかもしれませんね。
物語を伝える手段
7歳で、「演技」と「物書き」の虫に同時にとりつかれ、この2つは「物語を伝える」という意味で同じだとおっしゃるクリスさん。
伝えたいことを、どのような手段で伝えるのか。それは、そのときに効果的な方を選んでいかれるような気がします。
クリスさんにとって大事なのは、必要な人に必要なことが、しっかりと「伝わる」ことなのでしょうから。
▼ そんなクリスさんですが、俳優としての出演をにおわせるお話がありました。