ガンバ大阪の現在地

宮本ガンバ

今年のガンバ大阪のスローガンは"GAMBAISM"です。このスローガンが意味するガンバらしさ。それを体現する指揮官は現役時代からガンバの顔として存在し続けていた宮本監督。今季の戦い方を見ると彼の志向するサッカースタイル、クラブとしての在り方が見えてくると思います。屈辱的なJ2降格(2012シーズン)を機にガンバ大阪は長谷川健太監督を招聘し現実的な(シビアに勝ち点を積み上げていく)サッカーを志向しました。その結果、昇格後即3冠、天皇杯連覇、ACLベスト4進出など輝かしい功績を収めました。ただ、そのサッカースタイルとサポーター及びフロントの理想はかみ合わず2017年シーズンをもって長谷川監督は解任されました。個人的にはあの頃のフロントと監督とのコミュニケーション不足を解決するには(選手、指揮官、フロントがすべてかみ合ったときにタイトルが取れる状況になる)まだ時間がかかると感じています。今期の戦い方を見るとアウェー戦では4-2、1-0での勝利。ホーム戦では2-3、2-3、3-4での敗戦となっています。アウェーでの戦い方では相手の出方に合わせて自分たちも変化していくリアクションサッカーを試合を通じて遂行させていることで勝利につなげています。一方でホームでの戦いでは、自分たちが主導権を握るぞ。圧倒的な強さを見せるぞ。というようにアウェーとは180度違うサッカーを見せています。ではなぜ結果が出ないのか?それはスタイルの構築には時間がかかるから、これに尽きると感じています。本来魅力のあるビッククラブはホームで圧倒的な強さを見せて相手に威圧感を与えるような雰囲気を作り出しています。現在は、これらのスタイル構築をする段階でありその事実をサポーター、フロントは理解して一定の我慢ができるかどうかが重要なポイントになってくると感じています。しかしそのような状況の中でもホームでの3連敗はいただけません。アデミウソン、ファンウィジョというリーグ屈指のストライカーが監督の志向する縦に早いサッカーをもとに安定的に得点を重ねていながらもそれ以上に失点をして負ける。やはり、2点、3点とりながらも勝ち点を取れないというのは気になる点です。さらに、交代枠をうまく利用できていないのではないかという点。渡邊や今野といった試合を落ち着かせることのできるベテランをベンチに置いておきながら90分手前まで交代カードを切らない戦法には疑問を感じます。こういったところが長いシーズンの中でいかに修正されていくのか注目したいです。Jリーグは世界でも稀を見る戦力均衡したリーグなのでやはり目先の結果をある程度は求めなければなりません。(昨年の9連勝期間はホームでもある程度リアクションサッカーを起こしていた)なので今シーズンは宮本ガンバが感じているジレンマと向き合っていくシーズンになるのではないかと感じています。2014年3冠を達成したシーズンでは長谷川監督は「まず残留ラインである勝ち点40を確実に積み上げること」を掲げそのラインを越えてから目標を上方修正していきました。今年のJリーグもどのチームが優勝するかは全く読めません。だからこそガンバにはまず勝ち点40に早い段階で到達してもらい、そこから得意の夏場から終盤にかけてACL圏内、カップ戦タイトルを、と期待しています。ゆくゆくは、ホームで勝ち点3を確実に積み上げるチームになり、アウェーでの戦いはしたたかに相手の良さを消し勝ち点を1でも積んでいく、そういったチームを個人的には期待しています。

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